一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科5(施工) 問107

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科5(施工) 問107 (訂正依頼・報告はこちら)

地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 場所打ちコンクリート杭工事において、安定液中に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310 kg/m3 とした。
  • 場所打ちコンクリート杭工事において、余盛り部分を所定の位置まではつり処理を行う計画であったので、処理の時期をコンクリート打込み後 14 日経過した後とした。
  • セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、根固め液及び杭周固定液に使用するセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。
  • セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削後のアースオーガーの引き上げについては、掘削時と同様にアースオーガーを正回転させながら行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

1[誤]
場所打ちコンクリート杭の単位セメント量は無水掘りの場合270kg/㎥以上、それ以外の場合330kg/㎥以上とします。安定液中に打ち込む場合は330kg/㎥以上とする必要があるため誤りです。
2[正]
場所打ちコンクリート杭の杭頭の余盛部分の処理はコンクリート打設後14日程度経過してから行います。
3[正]
高炉セメントは普通ポルトランドセメントと比較して化学的抵抗性が大きいです。コンクリートの硬化を阻害する硫酸塩に対しても有効です。
4[正]
オーガー引き上げ時に逆回転させると付着した土砂が孔底に落下するので、逆回転させてはいけません。

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02

正解は1です。

1.設問の記述は誤りです。
安定液中で打ち込む場合の単位セメント量は330㎏/㎥以上です。空気中で打ち込む場合の単位セメント量は270㎏/㎥以上です。

2.設問の通りです。
場所打ちコンクリート杭の杭頭処理は、コンクリート打込みから14日程度経過した後、所定の位置まではつり取り、揃えます。

3.設問の通りです。
地下水に硫酸塩を含む場合、化学抵抗性の大きい高炉セメントを用います。

4.設問の通りです。
掘削後のアースオーガーの引き上げは、できるだけゆっくり正回転で行います。

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03

この問題は地業工事に関する問題です。コンクリート杭工事の種類や特徴をしっかり理解しましょう。

選択肢1. 場所打ちコンクリート杭工事において、安定液中に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310 kg/m3 とした。

誤りです。

空気中で打込む杭のコンクリートの単位セメント量は270kg/㎥以上、清水又は安定液に打込む杭のコンクリートの単位セメント量は330kg/㎥以上とします。

選択肢2. 場所打ちコンクリート杭工事において、余盛り部分を所定の位置まではつり処理を行う計画であったので、処理の時期をコンクリート打込み後 14 日経過した後とした。

正しいです。

コンクリート杭の余盛り部分はコンクリートの強度がでてから(打ち込み後14日経過後)はつり処理を行うことが適切です。

選択肢3. セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、根固め液及び杭周固定液に使用するセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。

正しいです。

高炉セメントは化学抵抗性が大きいため、地下水に硫酸塩が含まれる場所へのコンクリート杭の使用に適しています。

選択肢4. セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削後のアースオーガーの引き上げについては、掘削時と同様にアースオーガーを正回転させながら行った。

正しいです。

アースオーガーの引き上げは吸引現象による負圧が発生しないように正回転でゆっくりと引き上げることが望ましいです。

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