一級建築士の過去問
令和2年(2020年)
学科5(施工) 問111

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問題

一級建築士試験 令和2年(2020年) 学科5(施工) 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 高炉セメントB種を使用したコンクリートの調合管理強度について、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢 28 日までの期間の予想平均気温が 8 ~ 10 ℃ であったので、構造体強度補正値を 3 N/mm2 とした。
  • 高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。
  • マスコンクリートの表面ひび割れの低減のため、表面を断熱養生マットで覆うことにより養生した。
  • 柱や壁の型枠へのコンクリートの打込みにおいて、コンクリートが分離しない範囲で、自由落下により打ち込んだ。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.設問の記述は誤りです。
高炉セメントB種の構造体強度補正値は、コンクリートの打込みから材齢28日までの予測平均気温θ℃が0≦θ<13℃の場合、「6N/㎜²」です。13≦θ℃の場合、「3N/㎜²」です。

2.設問の通りです。
高強度コンクリートの自己収縮を抑制するためには、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤を使用し、単位セメント量をできるだけ小さくします。

3.設問の通りです。
マスコンクリート打込み後、部材表面を断熱材、シートなどで覆い養生することで、急激な温度変化に対応します。

4.設問の通りです。
コンクリートの自由落下高さ、水平移動距離は、コンクリートが分離しない範囲で行います。

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02

1[誤]
JASS5より高炉セメントB種の構造体強度補正値はコンクリートの打込みから材齢 28 日までの期間の予想平均気温θ℃が0≦θ<13のとき6N/m㎡、13≦θのとき3N/m㎡です。
設問ではθ=8~10℃なので構造体強度補正値は6N/m㎡となります。従って誤りです。
2[正]
高性能AE減水剤はAE減水剤と比較して高い減水性を有し、良好なスランプ保持性能、空気連行性能を有します。使用することで単位水量を小さくできるため単位セメント量も小さくすることができます。
3[正]
マスコンクリートは大断面であるため内部と表面の温度差が大きくなりひび割れの原因となります。表面を断熱養生マットで養生し表面を急冷しないようにすることでひび割れの低減となります。
4[正]
コンクリートの打込みは材料分離が発生しない範囲で打込む位置の近くに落とし込み、横流ししないようにします。

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03

この問題はコンクリート工事に関する問題です。コンクリートの材料の性質をよく理解することがポイントです。

選択肢1. 高炉セメントB種を使用したコンクリートの調合管理強度について、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢 28 日までの期間の予想平均気温が 8 ~ 10 ℃ であったので、構造体強度補正値を 3 N/mm2 とした。

誤りです。

高炉セメントB種を使用する場合、構造体強度補正値はコンクリートの打込みから材齢28日までの予想平均気温が0℃以上13℃未満で6N/㎟とします。

選択肢2. 高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。

正しいです。

セメント量が多いと水和熱により収縮が大きくなるため、セメント量を減らすことで自己収縮を抑制することができます。セメント量を減らすと単位水量が大きくなるため、AE減水剤により単位水量を小さくする必要があります。

選択肢3. マスコンクリートの表面ひび割れの低減のため、表面を断熱養生マットで覆うことにより養生した。

正しいです。

マスコンクリートのひび割れを抑制するためには内部と表面部の温度差をできるだけ小さくする必要があるため、断熱養生等で表面を覆うことは適切です。

選択肢4. 柱や壁の型枠へのコンクリートの打込みにおいて、コンクリートが分離しない範囲で、自由落下により打ち込んだ。

正しいです。

柱や壁へのコンクリートの打込みは自由落下とし、横流しは避けなければなりません。

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