一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科1(計画) 問4
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科1(計画) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
建築計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 小学校の計画に当たり、インクルーシブ教育システム構築のため、障害のある児童と障害のない児童とが、交流及び共同学習できる施設とした。
- 病院の計画に当たり、医療行為を中断することなく設備更新が行えるように、手術室のある階の上階に設備階(インタースティシャル・スペース)を設けた。
- ホテルの一般客室を、車椅子使用者用客室へ改修するに当たり、二つの客室の間仕切り壁を撤去して一室化し、客室内にスロープを設置し、客室全体の床の高さを、トイレ・浴室等の床の高さと合わせた。
- 図書館の計画に当たり、地上階に開架書庫や地域住民が利用する施設等を配置したので、半地下階に貴重書保存用書庫を設け、年間を通じて自然換気を行うこととした。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は用語の意味を適切に覚えることが重要です。
不適当な選択肢もなぜ不適当か説明できるようにしておく事をオススメします。
適当です。
インクルーシブ教育システムとは障害者と健常者が共に交流及び共同学習できるようにする仕組みで、多様な学び方(オンラインツールや音声学習など)を整備したり、ユニバーサルデザインを取り入れたりして実現を目指しています。
適当です。
設備専用の階である設備階(インタースティシャル・スペース)を主要室がある階と階の間に設ける事で医療行為を行いながらも改修工事や設備更新を行うことができます。
設備更新の多い病院や研究施設、工場などで用いられています。
適当です。
ホテルの一般客室を車椅子使用者用の客室へ改修する際に面積が足りないこともあるため、その際には2つの客室の間仕切り壁を撤去して一室とすることがあります。
また車椅子利用者のことを考え、スロープを設置したり、床の段差をなくしたりするなどの配慮が求められます。
不適当です。
価値の高い貴重書保存用書庫では内部環境を一定に保つ必要があるため、内部環境を一定にすることができない自然換気ではなく、空調機を設けて機械換気とします。
意味を覚える際には理由も合わせて覚えると応用問題にも対応できるようになるのでオススメです。
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02
学校や図書館などの建築物ごとの特徴を理解しておきましょう。
正しいです。
インクルーシブ教育とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みのことです。
正しいです。
インタースティシャル・スペースは、フロアの中間に設置されるシステムで、設備機器のメンテナンス性が向上し、将来の設備更新やレイアウト変更を容易にできるのが特徴です。
正しいです。
段差処理や一室にすることで、車椅子使用者へ配慮した計画となります。
こちらが誤りです。
貴重書は光や空気、温度などで傷む可能性があるため、自然換気はしてはいけません。
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03
この問題は建築計画に関する問題です。
用途に対する計画が適当かどうかを考えて、問題を読むことがポイントです。
正しいです。
インクルージブ教育システムとは、障害のある者とない者が共に学ぶ仕組みであり、障害者が社会へ効果的に参加することを可能にするという目的があります。
正しいです。
インタースティシャルスペースとは、上階居室と下階居室の間に挿入される設備階であり、病院では医療行為を中断することなく設備更新が行えます。
正しいです。
車椅子使用者用客室はゆとりのある広さとし、スロープを設け、段差をなくすといったバリアフリーとしての配慮が必要です。
誤りです。
図書館の貴重書保存用書庫は、内部環境を一定にする必要があるため、自然換気ではなく、機械換気とすることが適切です。
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