一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科2(環境・設備) 問25

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科2(環境・設備) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 火災時に空気と分離した煙が平面方向に広がる速さは、避難における歩行速度にほぼ等しい。
  • 劇場の防災計画において、階段を下りる速度は、一般に、0.6m/秒で想定する。
  • 超高層建築物や医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することが困難な場合が想定されるので、避難経路の途中又は途中階に一時的に滞留できる空間を確保することが望ましい。
  • 居室内避難における歩行距離は、一般に、家具の配置にかかわらず、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。

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この過去問の解説 (3件)

01

避難や防災について用語とそれに関する数値を適切に覚える必要があります。

選択肢1. 火災時に空気と分離した煙が平面方向に広がる速さは、避難における歩行速度にほぼ等しい。

適当です。

火災時の煙の水平方向に広がる速さ0.5m〜1.0m/sと歩行速度とほぼ等しいです。

選択肢2. 劇場の防災計画において、階段を下りる速度は、一般に、0.6m/秒で想定する。

適当です。

劇場の防災計画において、階段を下りる速度は0.6m/sを想定し、上る速度は0.45m/sを想定します。

選択肢3. 超高層建築物や医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することが困難な場合が想定されるので、避難経路の途中又は途中階に一時的に滞留できる空間を確保することが望ましい。

適当です。

超高層建築物医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することができない場合があります。

そのため避難経路の途中又は途中階一時的に滞留できる空間を確保し、そこから順次階段に避難したり、救助を待つことができるようにすることが望ましいです。

選択肢4. 居室内避難における歩行距離は、一般に、家具の配置にかかわらず、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。

不適当です。

居室内避難における歩行距離は、室内の家具等を避けて歩行することを想定した出口に最も遠い地点から出口までの距離を想定します。

まとめ

数値も合わせて覚える必要がある部分もあるので一つ一つ整理して覚えることをオススメします。

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02

避難についての用語と速度などの数値について理解しておきましょう。

選択肢1. 火災時に空気と分離した煙が平面方向に広がる速さは、避難における歩行速度にほぼ等しい。

正しいです。

火災室から廊下や隣室へ流出した煙の水平方向の流動速度は、一般に0.5〜1.0m/秒です。

一方、避難における歩行速度は、一般に0.5〜1.3m/秒です。

よって、煙が水平方向に広がる速さと、避難における歩行速度はほぼ等しいです。

選択肢2. 劇場の防災計画において、階段を下りる速度は、一般に、0.6m/秒で想定する。

正しいです。

劇場における歩行速度は0.5m/秒(30m/分)ですが、階段の上りは0.45m/秒(27m/分)、下りは0.60m/秒(36m/分)です。

選択肢3. 超高層建築物や医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することが困難な場合が想定されるので、避難経路の途中又は途中階に一時的に滞留できる空間を確保することが望ましい。

正しいです。

超高層建築物や医療福祉施設の避難計画では、避難階まで到達することが困難な場合があるため、避難経路の途中や途中階に防火区画された一時的に滞留できる空間を確保し、そこから順次、階段などに避難したり、救助を待つ計画とすることが望ましいです。

選択肢4. 居室内避難における歩行距離は、一般に、家具の配置にかかわらず、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。

こちらが誤りです。

居室内避難における歩行距離は、出口に最も遠い地点から出口までの最長距離とし、家具などをよけて歩行することを想定します。

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03

この問題は、建築物における防火・防災に関する問題です。

火災の特徴や避難の理屈を理解することがポイントです。

選択肢1. 火災時に空気と分離した煙が平面方向に広がる速さは、避難における歩行速度にほぼ等しい。

正しいです。

火災時の煙の水平方向の流動速度は、0.5~1.0m/secです。

人の歩行速度は、群衆密度1.5人/㎡の時に、約1.0m/secです。

よって、煙の流動速度と人の歩行速度はほぼ等しくなります。

選択肢2. 劇場の防災計画において、階段を下りる速度は、一般に、0.6m/秒で想定する。

正しいです。

劇場の防災計画において、階段を下りる時の速度は0.6m/sec、階段を上がる時の速度は0.45m/secを想定します。

選択肢3. 超高層建築物や医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することが困難な場合が想定されるので、避難経路の途中又は途中階に一時的に滞留できる空間を確保することが望ましい。

正しいです。

超高層建築物や医療福祉施設では、一気に外部まで避難することが困難となる場合があるため、避難経路の途中や途中階に、救助を待つことができるスペースとして一時滞留できる空間を確保することが望ましいです。

選択肢4. 居室内避難における歩行距離は、一般に、家具の配置にかかわらず、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。

誤りです。

居室内避難における歩行距離は、出口に最も遠い地点から出口までの距離としますが、家具などを避けて歩行することを想定しなければなりません。

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