一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科2(環境・設備) 問40
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科2(環境・設備) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の5段階のマークは、BEIの値が大きいほど星の数が増える。
- 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づく新築住宅の省エネルギー基準では、原則として、外皮平均熱貫流率(UA値)や冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を地域の区分に応じた基準値以下となること等が求められる。
- 被災時に救護場所や避難場所となる可能性が高い病院やホテル等の施設を有する企業のBCPにおいては、電気、ガス、水道等のライフラインの広域停止に備えた設備をあらかじめ計画することが望ましい。
- 地域冷暖房システムの導入は、一般に、未利用熱の活用による排熱削減が期待でき、ヒートアイランド現象の緩和にも効果的である。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.誤りです。
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)は、星の数が多いほど評価が高くなります。
BEIとは建築物の一次エネルギー消費量の指標であり、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除した値です。
よって、BELSはBEIの値が小さいほど評価が高くなり、星の数が多くなります。
2.正しいです。
省エネ基準では、外皮平均熱貫流率(UA値)や平均日射熱取得率(ηAC値)を地域の区分に応じて基準値以下とすることが求められます。
UA値やηAC値は、数値が小さいほど性能が高くなります。
3.正しいです。
BCPとは事業継続計画のことで、病院やホテル等の施設を有する企業は、ライフラインの停止に備えた設備をあらかじめ計画することが望ましいです。
4.正しいです。
地域冷暖房システムとは、地域の企業等から製造された熱を集約し、その地域内の建築物へ供給する方式です。
地域冷暖房システムは未利用熱の活用による排熱削減が期待でき、ヒートアイランド現象の緩和にも効果があります。
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02
この問題では、用語を適切に覚える必要があります。
不適当です。
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)は5段階で評価され、BEIの値が小さいほど星の数が増え、省エネルギー性能が高いとされます。
適当です。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律では外皮性能の基準が規定されています。
外皮平均熱貫流率や平均日射熱取得率を地域の区分に応じた基準値以下となること等が求められます。
適当です。
企業のBCPにおいて被災時に救護場所や避難場所となる可能性が高い施設では数日間避難者が滞在する可能性があることから、ライフラインの広域停止に備えた設備をあらかじめ計画することが好ましいです。
適当です。
地域冷暖房システムは河川水、海水、下水などが持っている温度差のエネルギーやごみ焼却場などの未利用エネルギーの利用で排熱削減が期待でき、さらにはヒートアイランド現象の緩和にも効果的です。
この分野では覚えるべき用語がたくさんあるので、1つ1つ整理して覚えることをオススメします。
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03
この問題は、主に省エネルギーに関する知識を問われています。
誤りです。
BEIとは、「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で除して求められます。値が1.0以下であれば省エネルギー基準を達成していることになり、値が小さいほど省エネルギー性能が高くなります。
また星の数は、省エネルギーであるほど多くなります。
正しいです。
省エネルギー基準では、一次エネルギー消費量の基準及び外皮の性能基準からまります。
設問のとおり外皮の性能基準では、外皮平均熱貫流率(UA値)や冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を地域の区分に応じた基準値以下となること等が求められています。
正しいです。
BCP(事業継続計画)とは、被災時などの緊急事態の場合に、事業を継続または早期復旧するために、その方法や手段などを計画しておくことをいいます。
設問のとおり、救護場所や避難場所となる可能性が高い施設では、ライフラインの広域停止に備えた設備をあらかじめ計画することが望ましいです。
正しいです。
地域冷暖房では、未利用熱の活用により、その排熱で温水や蒸気などの熱媒をつくり、地域の給湯や冷暖房などに活用します。そのため、排熱削減が期待でき、ヒートアイランド現象の緩和にも効果的です。
省エネルギーを推進するために、さまざまな取り組みが行われています。
その対策や技術を理解しておくようにしましょう。
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