一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(法規) 問50
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(法規) 問50 (訂正依頼・報告はこちら)
建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- エレベーター(所定の特殊な構造又は使用形態のものを除く。)の機械室における床面から天井又ははりの下端までの垂直距離は、かごの定格速度が毎分150mの場合、2.2m以上としなければならない。
- 居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準において、機械換気設備の有効換気量(単位 m3/時)は、原則として、その「居室の床面積(単位 m2)」と「居室の天井の高さ(単位 m)」の積に、住宅の居室にあっては0.5を乗じて得た必要有効換気量以上でなければならない。
- 耐火構造の床若しくは壁又は防火戸その他の所定の防火設備で床面積100m2以内に区画されたホテルの客室には、窓その他の開口部で開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該客室の床面積の1/50未満であっても、排煙設備を設置しなくてよい。
- エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、昇降する部分以外の部分の固定荷重、昇降する部分の固定荷重及びかごの積載荷重を合計した数値により計算する。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、建築設備について的確に理解し、法例集を素早く引くことができるようにする必要があります。
適当です。
令129条の9第2号により、エレベーターのかごの定格速度が毎分60mを超えて150m以下の場合は機械室における床面から天井又ははりの下端までの垂直距離は2.2m以上とする必要があります。
適当です。
法20条の8第1項1号により、居室を有する建物ではホルムアルデヒド等に対する衛生上の措置が必要です。
そして機械換気設備の有効換気量は居室の容積×用途による数値で求め、住宅等の居室では0.5を乗じて得た必要有効換気量以上とします。
適当です。
令126条の2第1項1号により、排煙上の無窓居室には排煙設備を設置する必要があります。
ただし、ホテルで床面積が100㎡以内ごとに防火区画されたものは適用外です。
不適当です。
令129条の4第2項2号により、エレベーター強度検証法による主要な支持部分の断面に生じる応力度は加速度も考慮する必要があるので間違いです。
建築設備の分野は幅広いため、スピーディーに法例集を引くことができると良いです。
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02
1.正しいです。
令第129条の9第二号により、機械室における床面から天井又ははりの下端までの垂直距離は、かごの定角速度が毎分60mを超え150m以下の場合、2.2m以上としなければなりません。
2.正しいです。
令第20条の8第1項第一号イにより、機械換気設備の有効換気量は「居室の床面積」と「居室の天井高さ」の積に、住宅の居室にあっては0.5を乗じて計算した必要有効換気量以上としなければなりません。
3.正しいです。
令第126条の2第1項第一号により、準耐火構造の床若しくは壁、又は法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で、床面積100㎡以内に区画されたホテルには、排煙設備を設けなくてもよいです。
4.誤りです。
令第129条の4第2項第二号により、エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度の計算方法は下記の通りです。
応力度 = G1 + α(G2 + P)
G1:「昇降する部分以外の部分の固定荷重」
G2:「昇降する部分の固定荷重」
P:「かごの積載荷重」
α:「昇降する部分に生ずる加速度を考慮して定める数値」
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03
この問題は建築設備にまつわる法規の確認です。
正しいです。
令129条の9第二号により、定格速度「60mをこえ、150m以内の場合」の垂直距離は2.2m以上とすることが記載されています。
正しいです。
令20条の8第1項一号イに計算式の記載があります。
Vr=nAh
Vr:必要有効換気量(単位 一時間につきm3)
n :前条第一項第二号の表備考一の号に規定する住宅等の居室(次項において単に「住宅等の居室」という。)にあつては0.5、その他の居室にあつては0.3
A :居室の床面積(単位 m2)
h :居室の天井の高さ(単位 m)
正しいです。
令126条の2第1項のただし書きにより設置不要
同項一号に該当
「法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物のうち、準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画された部分で、その床面積が100m2
(共同住宅の住戸にあつては、200m2)以内のもの」
ホテルは法別表第一(い)欄(二)項に揚がる用途です。
誤りです。
令129条の4第2項二号により、常時の応力度の計算式は下記になります。
G1+α1(G2+P)
G1:次条第一項に規定する固定荷重のうち昇降する部分以外の部分に係るものによつて生ずる力
G2:次条第一項に規定する固定荷重のうち昇降する部分に係るものによつて生ずる力
P :次条第二項に規定する積載荷重によつて生ずる力
α1 :通常の昇降時に昇降する部分に生ずる加速度を考慮して国土交通大臣が定める数値
上記により、設問にはα1が抜けています。
法規の問題は、法令集のどこに記載があるかを素早く引けるようにしておくことが重要です。
法令集にインデックスやライン引きを活用して対策するのがおすすめです。
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