一級建築士の過去問 令和3年(2021年) 学科3(法規) 問57
この過去問の解説 (3件)
容積率の計算問題です。
図面を見ると、特定道路(15m以上の幅員を持つ道路)があるため、まずは特定道路の緩和を算出します。
法第52条第9項、令135条の18より、次の式で緩和を算出します。
Wa = (70 − L) × (12 − Wr)/70
Wa = (70 − 35) × (12 − 6)/70
Wa = 3 m
西側道路の幅員は、
Wr + Wa = 6 + 3 = 9 m
となります。
緩和が求まったので、次に、第一種住居地域、商業地域の各区分についての容積率の最高限度を求めます。
【第一種住居地域】
法定容積率 20/10
道路容積率 最大道路幅員×4/10
9×4/10 = 36/10
より厳しいほうが採用されるため、小さいほうの20/10が最大容積率となります。
【商業地域】
法定容積率 60/10
道路容積率 最大道路幅員×6/10
9×6/10 = 54/10
より厳しいほうが採用されるため、小さいほうの54/10が最大容積率となります。
図面より、第一種住居地域と商業地域の面積は同じため、敷地全体の容積率の最高限度は双方の最大容積率の平均で求めることができます。
(20/10 + 54/10)/2 = 37/10
以上により、選択肢3の 37/10 が正しいです。
最大容積率は 37/10 となります。
法52条第9項、令第135条の18により、幅員に加算する数値を次の式を使って計算をします。
Wa = (12 − Wr)(70 − L)/70
Wa:幅員に加算する数値(単位m)
Wr:前面道路の幅員(単位m)
L:特定道路からその建築物の敷地が接する前面道路の部分の直近の端までの延長(単位m)
Wa = (12 − 6)(70 − 35)/70 = 3 m
よって、前面道路は 6m + 3m = 9m とみなします。
ここから、法52条第1項、第2項により、容積率の計算をします。
【第一種住居地域】
都市計画で定められた容積率:20/10
前面道路から求める容積率:9m × 4/10 = 36/10
よって、最大の容積率は 20/10 となります。
【商業地域】
都市計画で定められた容積率:60/10
前面道路から求める容積率:9m × 6/10 = 54/10
よって、最大の容積率は 54/10 となります。
第一種住居地域と商業地域の敷地面積は 1:1 により
20/10×1/2 + 54/10×1/2 = 37/10
よって、最大容積率は 37/10 となります。
法第52条第9項より、幅員15m以上の道路から70m以内に敷地があるため、令第135条の18の式を使って西側道路幅員を検討します。
Wa = (12 − Wr)(70 − L)/70 = (12 − 6)(70 − 35)/70 = 3
よって西側道路幅員を 6m + 3m = 9m とし、敷地の接する道路の最大を 9m として検討します。
法第52条第2項により、前面道路幅員による容積率を検討します。
第1種住居地域側の係数は4/10なので 9m × 4/10 = 36/10ですが、規定の容積率 20/10 の方が小さいため、こちらを採用します。
商業地域の係数は6/10なので 9m × 6/10 = 54/10 を採用します。
以上から
第1種住居側 20/10
商業地域側 54/10
これらを法第52条第7項の規定により面積按分(俗に荷重平均法などと呼ばれる)します。
20/10 × 200/400 + 54/10 × 200/400 = 10/10 + 27/10 = 37/10
よって、正解は3です。
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