一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(法規) 問58
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(法規) 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間に高低差はなく、門、塀等はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定、許可等並びに日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。
- 16.5m
- 21.0m
- 37.5m
- 38.5m
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この過去問の解説 (3件)
01
高さの最高限度の計算問題です。
①絶対高さ制限、②道路斜線制限、③隣地斜線制限、④北側斜線制限、⑤日影制限について検討する必要があります。
図より、敷地全体が商業地域のため、①絶対高さ制限、④北側斜線制限の検討は不要です。
⑤日影制限も、地方公共団体が指定した地域について検討するため、このような計算問題では基本的に検討不要です。
②道路斜線制限(法56条6項、令132条1項)で最高限度を求めます。
前面道路の幅員を検討します。
2以上の前面道路がある場合、広い方の道路境界の2倍かつ35m以内にある場合は、反対側の道路は広い方の道路の幅員とみなされます。
よって、幅員5mの南側道路は16mとみなされます。
A点までの距離が短い南側道路の方の斜線制限が厳しくなります。
水平距離×斜線勾配で求めます。
セットバック(法56条2項)の緩和の距離は、3mです。
反対側の境界線までの水平距離は、3m + 16m + 3m + 3m = 25m となります。
商業系地域の斜線勾配は、法56条1項一号、法別表第3(2)により1.5であるため
道路斜線制限の最高限度は、25m × 1.5 = 37.5m となります。
③隣地斜線制限(法56条1項二号)で最高限度を求めます。
水平距離 + 後退距離 × 2.5 + 31で求めます。
A点までの距離が短いのは西側の隣地境界であるため、東側より西側の隣地斜線の最高限度の方が厳しくなります。
西側隣地斜線の最高限度は、 (1m + 1m + 1m) × 2.5 + 31m = 38.5m となります。
②と③を比較してより厳しいほうとなるため、選択肢3の 37.5m が正しいです。
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02
建築物の高さの最高限度は 37.5m となります。
法第56条により、【道路斜線制限】と【隣地斜線制限】を計算し、比較します。
【道路斜線制限】
法第56条第6項、令第132条第1項により、2以上の前面道路がある場合の緩和措置を検討します。
A地点は、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35m以内区域に該当しているため、緩和措置が適用されます。
よって、前面道路5mは16mとみなします。
法第56条第1項第一号、第2項により、
水平距離は、A地点から道路境界線と反対側の境界線までの距離に、建築物までの後退距離を加算した数値となります。
3m + 3m + 16m + 3m = 25m
よって、道路斜線制限の高さの最高限度は 25m×1.5 = 37.5m となります。
【隣地斜線制限】
法第56条第1項第二号により、
水平距離は、A地点から隣地境界線までの距離に、建築物までの後退距離を加算した数値となります。
1m + 1m + 1m = 3m
よって、隣地斜線制限の高さの最高限度は 3m×2.5+31m = 38.5m となります。
両者を比較して、より厳しい方が適用されることから、建築物の高さの最高限度は 37.5m となります。
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03
商業地域なので日影制限、北側制限については検討不要です。
法56条第6項、令132条より、幅員が最大の道路からA点までの距離が幅員の2倍以下かつ35m以内なので、前面道路幅員を16mとしてA点の道路斜線制限を検討します。
(3 + 16 + 3 + 3) × 1.5 = 37.5 m
隣地斜線制限は、西側から
(1 + 1 + 1) × 2.5 + 31 = 38.5 m
低い方の 37.5m が最高限度ですので、正解は3です。
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