一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(構造) 問72
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
図のような梁A、梁B及び梁Cにそれぞれ荷重Pが作用している場合、梁A、梁B及び梁Cにおける応力、たわみ等の大きさの比(梁A:梁B:梁C)として、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、全ての梁は同一断面で、全長にわたって等質等断面の弾性部材とし、自重は無視する。
- 鉛直方向の支点反力 梁A:梁B:梁C = 1:1:1
- 最大曲げモーメント 梁A:梁B:梁C = 2:1:2
- 最大せん断力 梁A:梁B:梁C = 1:1:1
- 荷重点のたわみ 梁A:梁B:梁C = 2:1:2
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この過去問の解説 (3件)
01
① 正しい 梁の真ん中に荷重Pが作用しているので、両端の支点反力(垂直応力)は左右で等しくなり、すべて P/2 となります。
② 正しい 最大曲げモーメントは、いくつか基本の形を覚える必要があるかもしれません。
梁長さ L = 2ℓ として
梁A:Mmax = PL/4(中央)
梁B:Mmax = PL/8(中央、両端)
梁C:Mmax = PL/4(両端)
よって、梁A:梁B:梁C = 2:1:2 となります。
③ 正しい ①より、荷重、反力が同じなので、せん断力も等しくなります。
④ 誤り たわみ についてもある程度覚えるしかないですかね。
梁A:PL3/48EI = P(2ℓ)3/48EI = 8Pℓ3/48EI = Pℓ3/6EI
梁B:PL3/192EI = P(2ℓ)3/192EI = 8Pℓ3/192EI = Pℓ3/24EI
梁Cは中央で切断し、片持ち梁のたわみとして求めます。この時、梁長さはℓ、荷重は P/2 となり
梁C:(P/2)ℓ3/3EI = Pℓ3/6EI
よって、梁A:梁B:梁C = 4:1:4 となります。
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02
1.各梁の鉛直方向の支点反力を求めます。
梁A~Cは全て中央に鉛直荷重Pがあります。
よって、各支点の反力は全て P/2(上向き) になります。
A:B:C = P/2:P/2:P/2 = 1:1:1 になり、選択肢1は正しいです。
2. 各梁の最大曲げモーメントを求めます。
曲げモーメント図を書くとよくわかります。最大曲げモーメントの位置を確認します。
梁Aは、単純梁ですので、荷重点でモーメントが最大となります。
MAmax = P/2 × ℓ = Pℓ/2
梁Bは、固定端と荷重点でモーメントが最大となります。
MBmax = P/2 × ℓ/2 = Pℓ/4
梁Cは、固定端でモーメントが最大となります。
MCmax = P/2 × ℓ = Pℓ/2
A:B:C = Pℓ/2:Pℓ/4:Pℓ/2 = 2:1:2 になり、選択肢2は正しいです。
3. 各梁の最大せん断力を求めます。
梁A~Cを左右で切断してつり合いを考えると、部材に生じるせん断力は支点反力とつり合い、反力の大きさとなります。
よって、選択肢1で計算したとおり、それぞれ P/2 になります。
A:B:C = P/2:P/2:P/2 = 1:1:1 になり、選択肢3は正しいです。
4. 荷重点のたわみを求めます。
梁Aのたわみを求めます。
単純梁の公式 σ = PL3/48EI より、
σA = P×(2ℓ) 3/48EI
σA = 8Pℓ 3/48EI
σA = Pℓ 3/6EI
梁Bのたわみを求めます。
両端固定梁の公式 σ = PL3/192EI より、
σB = P×(2ℓ) 3/192EI
σB = 8Pℓ 3/192EI
σB = Pℓ 3/24EI
梁Cのたわみを求めます。中央部がピン接合のため、接合部で切断し片持ち梁として考えます。
片持梁の公式 σ = PL3/3EI より、
σC = P/2×ℓ3/3EI
σC = Pℓ 3/6EI
A:B:C = Pℓ 3/6EI:Pℓ 3/24EI:Pℓ 3/6EI = 4:1:4 になり、選択肢4は誤りです。
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03
1.正しいです。
鉛直荷重が梁A、梁B、梁C共に中心にかかっているため、鉛直反力は全て鉛直荷重の1/2の値となります。
よって、梁A:梁B:梁C = P/2:P/2:P/2 = 1:1:1 となります。
2.正しいです。
梁A 最大曲げモーメント(MA)の位置・・・荷重点
MA = P/2×l = Pl/2
梁B 最大曲げモーメント(MB)の位置・・・固定端又は荷重点
MB = P/2×l/2 = Pl/4
梁C 最大曲げモーメント(MC)の位置・・・固定端
MC = P/2×l = Pl/2
よって、梁A:梁B:梁C = Pl/2:Pl/4:Pl/2 = 2:1:2 となります。
3.正しいです。
梁A、梁B、梁C共に鉛直反力がP/2となるため、最大せん断力も全てP/2となります。
よって、梁A:梁B:梁C = P/2:P/2:P/2 = 1:1:1 となります。
4.誤りです。
梁A 荷重点のたわみ(δA)は δA = P(2l)3/48EI = 8Pl3/48EI = Pl3/6EI
梁B 荷重点のたわみ(δB)は δB = P(2l)3/192EI = 8Pl3/192EI = Pl3/24EI
梁C 片持ち梁として求めるため、荷重点のたわみ(δC)は δC = (P/2)l3/3EI = Pl3/6EI
よって、梁A:梁B:梁C = Pl3/6EI:Pl3/24EI:Pl3/6EI = 4:1:4 となります。
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