一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(構造) 問71

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問71 (訂正依頼・報告はこちら)

図-1のように、脚部で固定された柱の頂部に、鉛直荷重N及び水平荷重Qが作用している。柱の断面形状は図-2に示すような長方形断面であり、N及びQは断面の図心に作用しているものとする。柱脚部断面における引張縁応力度、圧縮縁応力度及び最大せん断応力度の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱は全長にわたって等質等断面の弾性部材とし、自重は無視する。また、引張応力度を「+」、圧縮応力度を「-」とする。
問題文の画像
  • 引張縁応力度:+16(N/mm2)  圧縮縁応力度:-24(N/mm2)  最大せん断応力度:0.50(N/mm2
  • 引張縁応力度:+16(N/mm2)  圧縮縁応力度:-24(N/mm2)  最大せん断応力度:0.75(N/mm2
  • 引張縁応力度:+26(N/mm2)  圧縮縁応力度:-34(N/mm2)  最大せん断応力度:0.50(N/mm2
  • 引張縁応力度:+26(N/mm2)  圧縮縁応力度:-34(N/mm2)  最大せん断応力度:0.75(N/mm2

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この過去問の解説 (3件)

01

柱脚部断面における縁応力度は、

A/N(垂直応力度) ± M/Z(曲げ応力度)

で求められます。

垂直応力度を求めます(N単位にします)。

240,000N / ( 300mm × 200mm ) = 4 N/mm2

図心に材軸方向に作用しているため、下向きとなります。

垂直応力度は、−4 N/mm2 となります。

曲げ応力度を求めます。

M/Z (断面係数:Z = bh2/6)

( 30,000N × 2,000mm ) / ( 200mm × 300mm × 300mm / 6 ) = 20 N/mm2

引張縁応力度:下向き(−4N)+引張(+20N)

−4+20 = +16 N/mm2

圧縮縁応力度:下向き(−4N)+圧縮(−20N)

−4−20 = −24 N/mm2

長方形断面の最大せん断応力度 τMax = 1.5 × QMax/A

1.5 × 30,000N / (300mm×200mm) = 0.75 N/mm2

よって、選択肢2が正解となります。

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02

たくさん計算が必要ですね。。。

手順1 縁応力度 = N/A ± M/Z  圧縮側(-)

軸力N = 240kN、断面積A = 300mm × 200mmから

単位面積当たりの力 = 鉛直応力度N/A = 240,000N/60,000mm2 = −4N/mm2(圧縮)

M/Z(曲げ応力度)を求めます。

Mは柱脚部の曲げモーメントで頂部に掛かる水平力Q = 30kNと、そこからの距離 = 2000mmをかけたものです。

M = 30,000N × 2,000mm = 60,000,000 Nmm

Zは断面係数といい、通常は Z = (b × h^2) / 6 = (200 × 300^2) / 6 = 3,000,000 mm3

となります。(b、hは断面の寸法 ^2は2乗)

M/Z = 60,000,000Nmm / 3,000,000mm3 = 20N/mm2

以上より

① 引張縁応力度 = N/A + M/Z = −4N/mm2 + 20N/mm2 = 16N/mm2

② 圧縮縁応力度 = N/A − M/Z = −4N/mm2 − 20N/mm2 = −24N/mm2

手順2 最大せん断応力度τmax

最大せん断応力度を求める公式は τmax = 1.5Qmax / A です。

柱脚部の断面について検討します。

水平荷重は一つなので、Qmax(最大せん断力)は柱のどこでも一定で、柱脚部でも30kN = 30,000Nです。

③ 最大せん断応力度 τmax = 1.5Qmax / A = (1.5 × 30,000N) / (300mm × 200mm) = 45,000N / 60,000mm2 = 0.75N/mm2

①②③より、正解は2です。

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03

選択肢2が正しいです。

(1) 軸力方向による圧縮応力度を、次式から求めます。

σn = N/A

 σn:圧縮応力度 [N/㎟]

 N:軸方向力

 A:断面積

σn = 240000/(200×300) = 4N/㎟ よって圧縮応力度は 4N/㎟

(2) 曲げモーメントによる曲げ応力度を、次式から求めます。

σm = M/Z

 σm:曲げ応力度 [N/㎟]

 M:曲げモーメント

 Z:断面係数

σm = (30000×2000)/(200×300×300/6) = 20N/㎟

よって 引張応力度 = 20 − 4 = 16 N/㎟

     圧縮応力度 = −20 − 4 = −24 N/㎟

(3) せん断力による最大せん断応力度を、次式から求めます。

τmax = 1.5×Q/A

 τmax:最大せん断応力度 [N/㎟]

 Q:せん断力

 A:断面積

τmax = 1.5×30000/(200×300) = 0.75N/㎟

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