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一級建築士の過去問 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問77

問題

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地震時における建築物の振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
   1 .
地震動の変位応答スペクトルは、一般に、周期が長くなるほど小さくなる。
   2 .
建築物の固有周期は、質量が同じ場合、水平剛性が大きいものほど短くなる。
   3 .
建築物の一次固有周期は、一般に、二次固有周期に比べて長い。
   4 .
鉄筋コンクリート造建築物の内部粘性減衰の減衰定数は、一般に、鉄骨造の建築物に比べて大きい。
( 一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問77 )
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この過去問の解説 (3件)

14

地震時における建築物の振動に関する問題です。

選択肢1. 地震動の変位応答スペクトルは、一般に、周期が長くなるほど小さくなる。

地震応答スペクトルには、建築物を1質点系モデルにして固有周期だけを変化させ、各周期に対する最大応答値をグラフ化した曲線があり、変異応答スペクトル・速度応答スペクトル・加速度応答スペクトルについて求めたものがあります。

固有周期と、各応答スペクトルの関係は次のようになります。

固有周期長くなると、

 ・変異応答スペクトルは大きくなる。

 ・速度応答スペクトルは変わらない

 ・加速度応答スペクトルは小さくなる。

選択肢2. 建築物の固有周期は、質量が同じ場合、水平剛性が大きいものほど短くなる。

建築物の固有周期は、次の公式で表されます。

公式:T 2π√m/k

  T:固有周期 m:質量 k:水平剛性(バネ定数)

公式から読み取りますと、固有周期は、次のようになります。

 ・m:質量大きくなると長くなる(質量の平方根に比例する)。

 ・k:水平剛性大きくなる短くなる(水平剛性の平方根に反比例する)。

選択肢3. 建築物の一次固有周期は、一般に、二次固有周期に比べて長い。

多層の建築物の振動の場合に、1質点系モデルだけでなく、2質点、3質点と多質点系モデルとして振動を考慮します。その際質点が増えると、不動点という振動しない点が増えていきます。

この不動点の数と固有周期の数が連動します。次数が増えていくと、固有周期が短くなっていきます。

一般的には、二次固有周期一次固有周期1/3となります。

選択肢4. 鉄筋コンクリート造建築物の内部粘性減衰の減衰定数は、一般に、鉄骨造の建築物に比べて大きい。

 

減衰とは振動が時間の経過とともに小さくなっていく現象のことです。内部粘性減衰とは、建築物に使用されている建材の粒子による摩擦によって減衰する現象です。鉄筋コンクリート造3%鉄筋造2%となります。

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4

1 誤 スペクトルという言葉が難しく聞こえますが、変位応答スペクトルとは、単に周期と変位の関係を線グラフで表したものです。周期Tが長いと大きく揺れるので、変位も大きくなります。

2 正 剛性が高い(硬い)と小さく振動する(振幅が小さい)ので、周期は短くなります。

3 正 二次固有周期は限界耐力計算以降に出てきます。俗にいう串団子のモデルでお団子が複数のとき、一次固有周期は全体がそろって揺れるときの周期ですが、お団子がバラバラに揺れる場合、2次、3次というパターンを考えていきます。バラバラに揺れると、そろって揺れる時より振幅が小さくなり、周期も小さくなります。

二次固有周期は一次固有周期のの3分の1とされています。

4 正 減衰定数はRC:0.03、鉄骨:0.02とされており、減衰定数の大きいRCの方が減衰しやすいと言えます。

3

答えは「1」です。

1.

変位応答スペクトルとは、地震によって建築物に生じる変位の最大値

地震の周期ごとにプロットしたものです。

周期が長くなると、変位の最大値も大きくなります

高い建物にいると、小さな地震でも大きく揺れて感じたことはありませんか?

高い建物はゆっくりと揺れる = 周期が長いので、変位が大きくなるのです。

なので、1は誤りです。

※似た用語で「速度応答スペクトル」「加速度応答スペクトル」があります。

速度応答スペクトル:周期によって変わらない

加速度応答スペクトル:周期が長いと小さくなる

という特性があるので、混同しないように気をつけてください。

2.

固有周期の公式を考えるとわかります。

<公式>

固有周期 T = 2π√(m/k)

[m:質量 k:剛性]

つまり、質量が同じなら「剛性が大きい = 固くて細かく揺れる」建物のほうが

周期は小さくなるのです。

なので、2は正しいです。

3.

一次固有周期とは質点(質量のあるオモリのようなイメージ)が

1つのときの周期です。

二次固有周期はこの質点が2つになったときの周期です。

質点が2つあっても、それぞれが全く同じ揺れ方をするわけではないので

打ち消し合って質点が1つのときより全体の変位は小さく、周期は短くなります。

なので、3は正しいです。

4.

減衰定数とは、建物が振動するうちに徐々に振動が小さくなっていくときの

減衰の度合いを表す指標です。

減衰定数が大きいと、減衰しやすい=揺れが小さくなりやすい ということです。

コンクリートの場合、内部に隙間が多いことや亀裂が発生することから

減衰しやすいとされており、減衰定数は0.03程度です。

一方、鉄骨は0.02程度なので、4は正しいです。

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