一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(構造) 問78
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問78 (訂正依頼・報告はこちら)
建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床の構造計算を行う場合の単位面積当たりの積載荷重の大小関係は、実況に応じて計算しない場合、住宅の居室<事務室<教室である。
- 建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、最下層の値が最も大きくなる。
- 地震時の短期に生ずる力については、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。
- 屋根葺き材等に対して定められるピーク風力係数Cfは、局部風圧の全風向の場合における最大値に基づいて定められている。
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この過去問の解説 (3件)
01
建築基準法における荷重及び外力に関する問題です。
誤
室の積載荷重は、室の実況に応じて計算する以外は、建築基準法施工令第85条の表の数値を用いて計算できます。
表による大小関係は次の通りとなります。
住宅の居室(1,800N/㎡)< 教室(2,300 N/㎡)< 事務室(2,900 N/㎡)
正
Qiとは、建築物の地上部分におけるi階に作用する地震層せん断力となります。
計算方法はi階より上部の建築物の重量:Wiにi階の地震層せん断力:Ciを乗じて計算します。
公式:Qi = Wi × Ci
公式から読み取れるのは、下階になるほどWiの値が大きくなるということです。
したがって設問は正しいです。
正
建築物を負荷する荷重は、長期荷重(固定荷重、積載荷重)と短期荷重(積雪荷重、風荷重、地震力)の2種類に分類されます。
また、短期荷重に生じる状況として、積雪時、暴風時、地震時の3つの場合が想定されます。
地震時に生じる短期荷重は、特定行政庁が指定する多雪区域においては、低減した積雪荷重を考慮する必要があります。
したがって設問は正しいです。
正
設問通りです。
また、屋根ふき材の耐風計算では、建築物の高さに関係なくピーク風圧係数を使用します。
したがって設問は正しいです。
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02
正解は「1」です。
1.誤り
室の積載荷重は、実況に応じた計算を行わない場合は、
建築基準法施行令第85条に定められた荷重を利用することができます。
ここでの床の積載荷重は以下のようになります。
住宅の居室(1,800N/m2)< 教室(2,300N/m2)< 事務室(2,900N/m2)
「住宅の居室」は、令85条の項目で最も積載荷重が小さいので覚えておきましょう。
「教室」と「事務室」は混同しがちですが、
家具や什器の重量は事務室のほうが大きいため、積載荷重も大きくなります。
なので、1は誤りです。
2.正しい
地震層せん断力は以下の公式で表されます。
<公式>
地震層せん断力Qi = Ci × Wi
[Ci : i 層の地震層せん断力係数 、 Wi : i 層以上の階の建屋重量]
建屋の最下層ではこのWiが最大となるため、地震層せん断力も最大となります。
なので、2は正しいです。
3.正しい
短期荷重の組み合わせ方については建築基準法施行令第82条第2項に定められており、
多雪地域においては「積雪時の長期荷重」「地震時の短期荷重」「暴風時の短期荷重」にも
積雪荷重を加えるものとされています。
多雪地域では、冬期の積雪と地震が同時に起こる可能性が十分にあるからですね。
なので、3は正しいです。
4.正しい
ピーク風力係数は、建物の外圧と内圧の差圧を表す係数であり
これが大きいと建物内外での圧力差が大きく、屋根などが破損しやすい状態を示します。
またピーク風力係数は安全のため、風によって生じる差圧の最大値が取られています。
なので、4は正しいです。
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03
1 誤 床の構造計算用の積載荷重は施行令第85条に規定されています。
住宅の居室(1800N)< 教室(2300N)< 事務室(2900N)
施行令には床用、梁用、地震力用の3種類の荷重が規定されており、床用は教室と事務室で順序が入れ替わる(梁用、地震力用は教室の方が大きい)ため、出題されやすいのかもしれません。
2~4 設問の通りです。
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