一級建築士の過去問 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問92
この過去問の解説 (3件)
正解は「2」です。
1.正しい
梁の軸方向力は通常は、曲げモーメントなどに比べ微小なため、
無視することができます。
しかしプレストレスコンクリートの場合、
部材に対し軸方向力が最初からかけられているため、軸方向力が大きくなります。
なのでこれらを考慮する必要があり、1は正しいです。
2.誤り
プレストレスの設計種別は以下の通りです。
Ⅰ種:長期荷重で断面に引張応力度が生じない
Ⅱ種:長期荷重で断面に生じる引張応力度がコンクリートの許容引張応力度を超えない
Ⅲ種:長期荷重で生じるひび割れ幅を目標値以下にする
なので選択肢2はⅡ種に対する説明となり、誤りです。
3.正しい
プレキャストプレストレストコンクリート造の部材を、
部材間を貫通する鋼材を緊張させることによって相互の部材を圧着する工法ですが、
この部材同士の圧着面の保護のためにモルタルを設けます。
このモルタルが剥離すると接合面の保護ができない他、接合している部分の
摩擦力を保つことができないなど構造面への支障があるため
選択肢3のような方法での剥離防止が必要です。
4.正しい
プレストレストコンクリート合成梁とは、
合成梁のうち引張側をプレストレストコンクリート、
圧縮側を通常の鉄筋コンクリートで構成する部材です。
それぞれの強度特性を活かすためには、これらが一体で働く必要があるため
両者を結合する鉄筋が必要となります。
プレストレストコンクリート構造とは、引張力に弱いコンクリートに、PC鋼材を用いてあらかじめ圧縮応力を加え、引張応力を小さくするか、生じさせなくした構造です。
正
不静定構造物において、プレストレス(あらかじめ圧縮力を加える)によって部材が短縮する(軸方向に変形)不静定力を受けます。そのため、曲げ変形と同時に軸方向変形を考慮した不静定二次応力を計算をします。
誤
フルプレストレッシングとは、断面に生じるコンクリートの引張応力を生じさせないようにすることです。
「長期許容引張応力度以下に制限」では、引張応力が生じています。
正
プレキャストプレストレストコンクリート造の梁と柱の接合は、PC鋼材を柱に貫通させ、圧縮力により引張応力を生じさせないようにし、せん断力に対しては圧着面の摩擦力によって抵抗します。圧着面保護のための目地モルタルの脱落を防止するために、スターラップ状の曲げ拘束筋やワイヤーメッシュ等による補強を行うことが必要となります。
正
プレストレストコンクリート合成梁とは、プレキャストプレストレストコンクリート梁と現場打の鉄筋コンクリート造からなる合成梁です。そのため、一体化するためには両者を結合する鉄筋が必要となります。
1 正 プレストレスで軸方向力を生じさせるので梁であっても、軸方向の変形を考慮します。
2 誤 フルプレストレッシングは「引張力の発生を許さない」ようにすることです。
選択肢は「パーシャルプレストレッシング」のことです。
3 正 このような配慮も必要です。
4 正 合成梁という名前から、感覚的にも一体化させないといけないと感じますね。
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