一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(構造) 問93

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(構造) 問93 (訂正依頼・報告はこちら)

各種建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 壁式鉄筋コンクリート構造の建築物では、使用するコンクリートの設計基準強度を高くすると、一般に、必要壁量を小さくすることができる。
  • 壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は、一つの建築物の同じ階に混用することができる。
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造の埋込み型柱脚の曲げ終局耐力は、柱脚の鉄骨断面の曲げ終局耐力と、柱脚の埋め込み部分の支圧力による曲げ終局耐力の累加により求めることができる。
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱では、格子形の非充腹形鉄骨を用いた場合に比べて、フルウェブの充腹形鉄骨を用いた場合のほうが、靱性の向上が期待できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

各種建築構造に関する問題です。

選択肢1. 壁式鉄筋コンクリート構造の建築物では、使用するコンクリートの設計基準強度を高くすると、一般に、必要壁量を小さくすることができる。

告示の規定で次のいずれかの場合、壁量を減じることができます。

・耐力壁の厚さが定める数値より大きい場合

・地震地域係数が1.0未満の地域

・コンクリート設計基準強度が18N/mm2を超える場合

壁式コンクリート構造に使用するコンクリートの設計基準強度は原則18N/mm2以上とするため、設計基準強度を上げると必要壁量を少なくできます。

選択肢2. 壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は、一つの建築物の同じ階に混用することができる。

正 

壁式鉄筋コンクリート構造と壁式プレキャスト鉄筋コンクリート構造は、一つの建築物の同じ階に混用することができます。

選択肢3. 鉄骨鉄筋コンクリート造の埋込み型柱脚の曲げ終局耐力は、柱脚の鉄骨断面の曲げ終局耐力と、柱脚の埋め込み部分の支圧力による曲げ終局耐力の累加により求めることができる。

誤 

埋込型柱脚の終局曲げ耐力を算出する場合、3つの終局影耐力の要素を考慮します。

柱の鉄骨部分の終局曲げ耐力

埋め込み部の終局曲げ耐力(設問の柱脚の埋め込み部分の支圧力による曲げ終局耐力)

鉄筋コンクリート部分の曲げ終局耐力

そして①と②のうち小さいほうと、③の累加により算出します。

選択肢4. 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱では、格子形の非充腹形鉄骨を用いた場合に比べて、フルウェブの充腹形鉄骨を用いた場合のほうが、靱性の向上が期待できる。

正   

格子型鉄骨を用いた部材、柱部材の耐力は、鉄骨部分をこれと等価な断面積(フルウェブと同等)を持つ鉄筋とみなして、RC基準に基づいて算出できます。しかし靭性能力はフルウェブ(充腹型)やラチス型に劣ります。靭性の向上のためには、格子型よりフルウェブを採用します。

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02

正解は「3」です。

1.正しい

壁式鉄筋コンクリート構造とは、柱や梁を設けるのではなく、

耐力壁とスラブで建物を構成する構造方式です。

そのメインの部材となる耐力壁は、面積あたりに必要な壁量が決められています。

一方、告示によりこの壁量を低減することができる条件も示されており、その中に

・コンクリートの設計基準強度が18N/mm2以上

という項目があります。

つまり問題文のように、コンクリートの設計基準強度を高くし

18N/mm2以上にすることができれば、壁量を低減できます。

2.正しい

地震時の挙動やバランスが異なるため、

原則として異なる構造方法の混用は避けなければいけません。

しかし壁式コンクリート造とプレキャスト壁式コンクリート造は

いずれも同じコンクリート造、かつ、耐力壁とスラブで構成された壁構造

であるため、併用が可能です。

3.誤り

埋込み型の柱脚は、

鉄骨の柱脚部分がコンクリートに埋め込まれているため、

コンクリートからの支圧力がかかっています。

終局曲げ耐力は、この鉄骨が曲がるか、

コンクリートが支えきれなくなるか、のいずれかのタイミングのため、

鉄骨の曲げ終局耐力とコンクリート埋込み部分の支圧力の

いずれか小さい方を用いて求めます。

4.正しい

鉄骨のウェブ形式による靭性は充腹型が最も良く、

充腹型 > ラチス型 > 格子型 となります。

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03

1 正 その通りです。

2 正 混用可能です。同じ壁ですしね。

3 誤 埋込み型柱脚の曲げ終局耐力は柱脚の鉄骨断面の曲げ終局耐力と、柱脚の埋め込み部分の支圧力による曲げ終局耐力のうち小さい方と鉄筋コンクリート部分の終局曲げ耐力の累加により算定します。

4 正 充腹形の方が強いです。

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