一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問103

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

材料管理及び品質管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 工事現場に仮置きする既製コンクリート杭については、仮置きするための場所が狭かったので、所定の措置を講じたうえで、同径のものを平置きで2段まで積み重ねる計画とした。
  • コンクリート工事において、計画供用期間の級が「標準」のコンクリートの練混ぜ水として、レディーミクストコンクリート工場で発生するコンクリートの洗浄排水を処理して得られる回収水で、JISに適合することが確認されたものを用いた。
  • シーリング工事で用いるバックアップ材は、合成樹脂製でシーリング材に変色等の悪影響を及ぼさず、かつ、シーリング材との接着性がよいものを用いた。
  • 木工事に用いる造作材の工事現場搬入時の含水率は、特記がなかったので、15%以下であることを確認した。

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この過去問の解説 (3件)

01

材料管理及び品質管理に関する問題です。

選択肢1. 工事現場に仮置きする既製コンクリート杭については、仮置きするための場所が狭かったので、所定の措置を講じたうえで、同径のものを平置きで2段まで積み重ねる計画とした。

仮置きの場合、地盤を水平にして杭の指示点に枕材を置き、1段に並べ移動止めのクサビを施します。

やむを得ず2段以上に積む場合は、適切な処理をします。

また、荷積み、荷下ろしは、杭の両端から1/5の位置付近の2点で支持しながら行います。

したがってこの設問は正しいです。

選択肢2. コンクリート工事において、計画供用期間の級が「標準」のコンクリートの練混ぜ水として、レディーミクストコンクリート工場で発生するコンクリートの洗浄排水を処理して得られる回収水で、JISに適合することが確認されたものを用いた。

計画共用期間の級が「長期」「超長期」及び「高強度」「高流動」コンクリートには回収水は使用できません

計画共用期間が「標準」であれば回収水を使用できます。

したがってこの設問は正しいです。

選択肢3. シーリング工事で用いるバックアップ材は、合成樹脂製でシーリング材に変色等の悪影響を及ぼさず、かつ、シーリング材との接着性がよいものを用いた。

目地に施工するシーリング材は局所的に応力、ひずみを生じさせない構造とします。そのため3面接着の防止(目地底に接着させない)を目標とします。

バックアップ材とは目地構造がシーリング充填深さより深い場合に用いる材です。

このバックアップ材は、接着性が良いものだと3面接着となるため、接着しないものを使用します。

したがってこの設問は誤りです。

選択肢4. 木工事に用いる造作材の工事現場搬入時の含水率は、特記がなかったので、15%以下であることを確認した。

公共建築工事標準仕様書では、含水率を、構造材では20%以下、下地材および造作材では15%以下と定めています。

したがってこの設問は正しいです。

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02

1→適当です。

JASS4によります。

所定の措置を講じたうえで、同径のものを平置きで2段まで積み重ねてもよいです。

2→適当です。

JASS5によります。

計画供用期間の級が「標準」のコンクリートの場合は、回収水を用いてもよいです。

3→不適当です。

JASS8、公共建築工事標準仕様書によります。

バックアップ材は、シーリング材と接着せず、その性能を低下させないものとします。

設問文では、「接着性のよいもの」とあるため、不適当です。

4→適当です。

JASS11によります。

木工事に用いる造作材の工事現場搬入時の含水率は、構造材20%、造作材15%、仕上げ材13%以下です。

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03

正解は「3」です。

1.正しい

既成コンクリート杭の仮置きでは、枕材を置き、損傷しないように静置します。

やむを得ない場合は、崩れることを防ぐために必要な処置を講じることで、

これを2段積みとすることができます。

2.正しい

コンクリートの練混ぜ水は、コンクリートの水和反応を発生させ

強度を発現させるために重要な材料です。

ですので、使用できる練混ぜ水は、JISで

上水道水」「上水道以外の水」「回収水」と規定されています。

上水道水以外はどんな水でも良いわけではなく、

それぞれJISによって塩化物量などの品質基準が定められています。

また、鉄筋を含むコンクリートでは海水は使用できず、

高強度コンクリートでは回収水は使用できません。

それ以外はJIS基準に適合すれば使用可能です。

3.誤り

シーリングは外壁材や躯体との接着方法で、

二面接着」と「三面接着」の2種類に分けられます。

このうち二面接着は、金属パネルや笠木の取り合いといった

動きの多い箇所に設けられ、

目地底にバックアップ材を設置することで

動きの大きな部分と躯体を切り離す方法です。

このような目的があるため、

バックアップ材とシーリングは接着しないようにしておく必要があります。

4.正しい

木材は含水率が30%以下に低下すると乾燥収縮が始まります。

従って現場に搬入する際に含水率が高いままだと、

工事後に乾燥収縮が起こり建物に影響が出てしまいます。

従って、公共建築工事標準仕様書にて含水率の上限が定められており、

構造材の場合は20%以下下地材と造作材の場合は15%以下とされています。

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