一級建築士の過去問 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問104
この過去問の解説 (3件)
正解は「4」です。
1.正しい
中間検査が必要な工程(特定工程)の完了後には、
行政や確認審査機関による中間検査を受ける必要があります。
また、中間検査を受けるためには当該工事の完了後4日以内に
中間検査申請書を建築主事か指定確認検査機関に提出することが必要です。
ちなみに特定工程は
全国一律で定められているもの(階数が3以上の共同住宅の2階の床・梁の配筋)と、
行政が指定する項目の2種類があります。
2.正しい
騒音規制法・振動規制法により、
著しい騒音・振動が発生する工事(特定建設作業)を行う際には
事前に届け出が必要になります。
これは実際に工事を行う施工者が、着工の7日前までに市町村長に提出します。
なお、1日のみで終わる作業であれば届出は不要です。
3.正しい
特定元方事業者とは、
仕事の一部を請負人に請け負わせているもののうち、
建設業などの特定事業を行うものを指しており、
これらの事業開始時(着工時)には速やかに
事業開始報告を労働基準監督署長に提出する必要があります。
工事関連では、この特定元方事業者の届け出以外にも、
提出先が労働基準監督署長となっている届け出が多くあります。
(統括安全衛生管理者の専任報告、建設工事計画届、など)
これは労働基準監督署が労働基準法に基づき、
安全や労働災害などを管理しているからです。
4.誤り
道路を使用する際の申請書には
「道路使用許可申請書」と「道路占有許可申請書」の2種類があります。
違いは以下のとおりです。
道路使用許可申請書:
クレーン車の駐車など、道路を短期間使用する際に提出する。
提出先は警察署長。
道路占有許可申請書:
仮囲いや足場など、道路を長期間占有する際に提出する。
提出先は道路管理者。
今回のように外部足場を設ける場合は、
足場を用いる工事が完了するまでの長期間道路を占有することになるため、
道路占有許可申請書を道路管理者に提出することになります。
届出関係の問題では、「届出先」「届出者」「届出時期」を正確に覚えることが大事です。
→ 正
中間検査申請は、
届出先「建築主事」
届出者「建築主」
届出時期「完了後4日以内」
となります。
→ 正
特定建設作業実施届には騒音規制法と、振動規制法に基づくものがあります。
届出先「市町村長」
届出者「施工者」
届出時期「作業開始の7日前」
です。
→ 正
特定元方事業者の事業化委報告は、
届出先「労働基準監督署長」
届出者「特定元方事業者」
届出時期「開始後遅滞なく」
となります。
→ 誤
道路使用許可申請書は、
届出先「警察署長」
届出者「施工者」
届出時期「そのつど」
となります。
道路占用許可申請書は、
届出先「道路管理者」
届出者「専用事業者」
届出時期「そのつど」
となります。
よく出る問題なので「使用」と「占用」の違いを覚えてください。
1→適当です。
建築基準法第7条の3によります。
4日以内に提出します。
2→適当です。
騒音規制法によります。
特定建設作業の開始の日の7日前までに、「特定建設作業実施届出書」を市町村長あてに届け出ます。
3→適当です。
労働安全衛生規則によります。
工事開始後、遅延なく「特定元方事業者の事業開始報告」を労働基準監督署長あてに行います。
4→不適当です。
道路法によります。
「道路占用許可申請書」を道路管理者あてに提出し、許可を受けます。
設問文では、「道路使用許可申請書」とあるため、不適当です。
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