一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問105
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問105 (訂正依頼・報告はこちら)
仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の改修工事のための枠組足場を設置する計画において、高さ12mの枠組足場の組立てから解体までの期間が49日であったので、その計画を労働基準監督署長に届け出なかった。
- 工事用の資材を上階に運搬するために鉄筋コンクリートの床スラブに設ける仮設用の開口については、補強や復旧等を含む計画書を作成し、監理者の承認を受けた。
- ベンチマークから引き出した「各階の通り心と高さの基準になる基準墨」について、監理者の検査を受けた。
- 移動式クレーンによる荷の吊り上げ作業において、送電電圧6,600Vの絶縁防護のない配電線からの最小離隔距離(安全距離)については、1.0mを確保した。
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この過去問の解説 (3件)
01
仮設工事は、新規の工法などが少ない分野です。
暗記で確実に点が取れます。
仮設足場の計画で、組立から解体まで60日以上のもので以下3つの場合、労働基準監督署長に届出が必要です。
① 吊り足場、張り出し足場
② ①以外で足場高さが10m以上の物
③ 仮設通路で長さ・高さがそれぞれ10m以上のもの
届出の大前提が、組立から解体まで「60日以上」なので、設問の場合は届出の必要はありません。
施行者は、建築物の一部を仮設工事に使用する場合や、仮設の開口を開ける場合などには、事前に補強や復旧などを含む仮設工事計画書を作成し、監理者の承認を受けなければなりません。
設問の工事を「墨出し」といいます。監理者の承認を受けなければなりません。
クレーン作業や他の作業で電線の近くでやむを得ず作業するときには、電線と接触し事故が起こることを防ぐため距離を取る必要があります。
最小離隔距離は送電される電圧によって定められており、100〜200Vなら1.0m、6600Vなら1.2mが最小となります。
数値、届け出るところ、承認が必要かどうか等、紛らわしいところも多いので、自分なりに整理してみてください。
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02
1→適当です。
労働安全衛生法 第88条、労働安全衛生規則 第86条によります。
高さ10m以上、期間60日以上では届け出が必要です。
設問文では、49日のため届け出は不要です。
2→適当です。
JASS2によります。
仮設のため建築物の一部を使用する場合は、補強や復旧等を含む計画書を作成し、監理者の承認を受けます。
3→適当です。
位置の基準となるため、監理者の検査を受けます。
4→不適当です。
JASS2によります。
送電電圧6,600Vの絶縁防護のない配電線からの最小離隔距離(安全距離)について、最小隔離距離は1.2mです。
1.0mでは不足しており、不適当です。
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03
正解は「4」です。
1.正しい
足場の設置については労働安全衛生法によって規定されており、
「高さ10m以上」の足場を「組立から解体まで60日以上」設置するなら
着工30日前までに労働基準監督署長まで届け出なければいけません。
設問の場合、解体までの日数が60日未満なので届け出は不要です。
2.正しい
選択肢の通り、開口部を設ける場合は管理者の承認を受けます。
3.正しい
監理者は設計図書に沿った建物の計画がなされているかを確認する必要があります。
そのうちの方法の一つが墨出しの位置確認です。
特に基準墨は敷地内で建物の配置を確定させる重要な墨のため、
監理者の承認が必要となります。
4.誤り
クレーン作業や足場の設置、測量などで
送電線の近くで作業をする必要があるときには、
電線と接触し事故が起こることを防ぐため
一定の離隔距離を取る必要があります。
最小離隔距離は送電される電圧によって定められており、
100〜200Vなら1.0m、6600Vなら1.2mが最小となります。
なので4は誤りです。
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