一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問107
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問107 (訂正依頼・報告はこちら)
杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削時の支持層への到達確認については、掘削機の積分電流計の値から算出したN値によることとした。
- セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削時に支持層への到達確認の記録が取得できない杭については、施工前にあらかじめ定めた代替の手法による記録を到達確認の記録とした。
- アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、安定液は、ベントナイトを主体として、分散剤や変質防止剤等を加え、できる限り低粘性・低比重となるように配合した。
- オールケーシング工法による場所打ちコンクリート杭工事において、トレミー管及びケーシングチューブの先端は、コンクリート中に2m以上入っていることを確認した。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「1」です。
1.誤り
杭が十分に建物を支持するためには、
杭を支持層まできちんと到達させることが必要となります。
掘削時の支持層到達については何種類かの確認方法がありますが、
そのうちの一つが掘削抵抗の変化による確認です。
掘削するオーガの駆動装置の電流値や積分電流値が大きく変化した地点で
土質が変わったと判断することができます。
しかし、これでわかるのは土質の変化であり
電流値とN値には定量的な関係はありません。
2.正しい
基本的に、掘削時の支持層到達については
選択肢1のように掘削抵抗や掘削土の採取により判定することとなりますが、
掘削時に判定することが困難な場合、事前に行った地盤調査の結果等
代替の手法で支持層の到達を確認することができます。
3.正しい
アースドリル工法は、
ドリリングバケットという装置を回転させながら掘削し、
できた孔に鉄筋のカゴを建て込みコンクリートを流し込むことで杭とする、
現場打ちコンクリート杭の一種です。
安定液とは掘削している際に地下水が孔に流れ込み
孔壁が崩壊しないよう支えるための液体であり、
掘削後にコンクリートを打ち込むときに押し出されて
孔から排出されるようにコンクリートより低比重とします。
また鉄筋カゴとコンクリートの付着を妨げないよう、低粘度とします。
4.正しい
オールケーシング工法は、ケーシングチューブを地中に圧入することで
掘削孔の内部を全て保護しながら掘削を行う現場打ちコンクリート杭の一種です。
トレミー管はコンクリートを注入するときの管ですが、
コンクリートが自由落下しないように
ある程度コンクリート中に差し込んでおく必要があり、目安は2m以上です。
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02
杭工事はたくさんの種類があるので、混同しないよう整理して学習してください。
地盤調査の結果をもとに、堀削深さ、駆動用電動機の電流値等の施工データとオーガースクリューに付着している土砂と土質調査資料などで掘削時の支持層への到達確認をします。
電流地とN値には関係性はありません。
その通りとです。
地盤は目に見えずまっすぐ平らでもないため、よくある事象となります。
その時は地盤調査の結果など施工前にあらかじめ定めた代替の手法による記録を到達確認の記録とします。
安定液とは掘削している際に孔壁が崩壊しないようにさせる液体であり、コンクリートを打ち込む際、押し出されて孔から排出されるようにコンクリートより低比重とします。
また鉄筋カゴとコンクリートの付着を妨げないよう、低粘性とします。
トレミー管とはコンクリートを注入する管のことです。コンクリートの分離を防ぐ目的で、2m以上コンクリート中に入っていることを確認します。
各杭工事の動画などを見ると、用語の理解ができイメージしやすくなると思います。
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03
1→不適当です。
公共工事標準仕様書によります。
電流計の値とN値には定量的な関係はありません。
掘削時の支持層への到達確認については、堀削深さ、駆動用電動機の電流値等の施工データとオーガースクリューに付着している土砂と土質調査資料又は設計図書との照合を行います。
2→適当です。
埋込杭施工指針・同解説によります。
基本は、掘削時に支持層への到達確認の記録をしますが、到達確認の記録が取得できない杭については、施工前にあらかじめ定めた代替の手法による記録を到達確認の記録とします。
3→適当です。
JASS4によります。
安定液は、できる限り低粘性・低比重とします。
4→適当です。
JASS4によります。
コンクリート中に2m以上挿入する必要があります。
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