一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問108
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問108 (訂正依頼・報告はこちら)
図に示す鉄筋工事に関する寸法について、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、鉄筋はSD345、コンクリートの設計基準強度は24N/mm2とし、コンクリートの粗骨材の最大寸法は20mmとする。また、設計図書には特記がないものとし、図に記載のない鉄筋は適切に配筋されているものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
図問題です。
JASS5により算出します。
設問文より、鉄筋はSD345、コンクリート設計基準強度(Fc)は24N/mm2、コンクリート粗骨材の最大寸法は20mmです。
1→適当です。
鉄骨相互のあきは、①d(呼び名)の1.5倍以上かつ ②粗骨材の最大寸法の1.25倍以上かつ ③25mm以上 とします。
計算結果は、①19mm × 1.5 = 28.5mm ②20mm × 1.25 = 25mm ③25mm となります。
1図では、30mmのあきがあり、①~③の数値以上となるため、適当です。
2→不適当です。
重ね継手の長さは、Fc 24N/mm2のときは、d(呼び名)の数値の40倍、又はフック付きで30倍以上とします。
2図より、フックなしの重ね継手であるため、重ね継手は、13mm × 40 = 520mm以上必要となります。
500mmでは不足しているため、不適当です。
3→適当です。
投影定着長さは、定着起点から鉄筋の外面までの長さです。
水平定着長さが柱せいの3/4以上(800mm × 3/4 = 600mm)かつFcが24N/mm2の場合は、20d(20 × 32mm = 640mm)以上必要です。
3図では、投影定着長さが650mmであるため、適当です。
4→適当です。
隣接する鉄筋の圧接及び溶接位置は、400mm以上ずらします。
4図では、400mmずらしていますので、適当です。
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02
鉄筋の種類によって、あき、接手長さ、定着長さ等の数値が変わります。
よく使用される鉄筋の種類は完璧に覚えておくといいでしょう。
鉄筋相互の空きの最小寸法は、以下の最大の数値となります。
異形鉄筋・・①呼び名の数値の1.5倍 ②粗骨材最大寸法の1.25倍 ③25mm
丸鋼・・・・①鉄筋径の1.5倍 ②粗骨材最大寸法の1.25倍 ③25mm
したがって、図の30mmは適正です。
Fc 24N/mm2のときの重ね継手の長さは、d(呼び名)の数値の40倍、又はフック付きで30倍以上とします。
図では、フックなしの重ね継手であるため、13mm × 40 = 520mm 以上必要となります。
500mmでは不足しているため、不適当です。
投影定着長さとは、定着起点から鉄筋の外面までの長さのことです。
フック長さを含まず直線部のみで定着長さを確保するとともに、柱せいの3/4倍以上を飲み込ませる必要があります。
図の場合、水平定着長さが柱せいの3/4以上(800mm × 3/4 = 600mm)かつFcが24N/mm2の場合は、20d(20 × 32mm = 640mm)以上必要です。
投影定着長さが650mmであるため、適当です。
ガス圧接継手の場合、隣り合う鉄筋接手の位置は、400mm以上ずらして設けます。
よって、図は適正です。
図で出される問題は、理解が深くないと戸惑います。
最低でも、よく使われる鉄筋の種類の数値は覚えておきましょう。
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03
正解は「2」です。
1.正しい
鉄筋相互の空きの最小寸法は、次のいずれかの最大の数値となります。
・粗骨材の最大寸法の1.25倍 (20mm×1.25 = 25mm)
・25mm
・異形鉄筋の呼び名の数値の1.5倍 (19×1.5 = 28.5mm)
なので問題文の「30mm」はいずれの数値よりも大きいため正しいです。
2.誤り
重ね継手の最低長さはコンクリートの設計基準強度と
鉄筋の種類により決められています。
問題文のSD345、設計基準強度 24N/m2の場合、
40d(dは異形鉄筋の呼び名)が必要となります。
40×13 = 520mm が今回の場合必要な最小長さとなるので、
500mmでは不足します。
3.正しい
梁の主筋は通常90°フック付きの定着とし、
フック部を含めない直線部のみで定着長さを確保するとともに
柱せいの3/4倍以上を飲み込ませる必要があります。
直線のみで定着が取れない場合は
投影定着長さを柱せいの3/4倍以上とします。
また定着長さはコンクリートの設計基準強度と鉄筋の種類により決まりますので、
SD345、24N/m2、かつフック付きの場合、25d(dは異形鉄筋の呼び名)の
定着長さが必要です。
今回の場合、定着長さは 25×32 = 800mm が必要となります。
しかし柱せいが800mmであるため直線で定着は取れず、
投影定着長さを柱せいの3/4倍以上とすることで定着させます。
800×3/4 = 600mm であるため、650mmの投影定着長さがあれば問題ありません。
4.正しい
隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置は、
400mm以上ずらして設けるものとします。
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