一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問111

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問111 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • レディーミクストコンクリートの受入検査において、指定したスランプ18cmに対して、15.5cmであったので許容した。
  • 鋼管充填コンクリートの落し込み工法において、できる限りコンクリートの分離が生じないように、打込み当初のコンクリートの自由落下高さを1m以内とした。
  • 設計基準強度60N/mm2の高強度コンクリートの打込みにおいて、高性能AE減水剤を使用しているので、外気温にかかわらず、練混ぜから打込み終了までの時間の限度を120分とした。
  • コンクリートの締固めについては、公称棒径45mmのコンクリート用棒形振動機のほかに、型枠振動機及び木槌を併用したので、棒形振動機の挿入間隔を80cm程度とした。

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この過去問の解説 (3件)

01

コンクリート工事は覚えておかなければならない数値、規定が多いです。

選択肢1. レディーミクストコンクリートの受入検査において、指定したスランプ18cmに対して、15.5cmであったので許容した。

スランプ値はある程度の許容値が定められています。

指定のスランプ値が8〜18cmの場合、±2.5cmまでは許容値となります。

(呼び強度27以上で高性能AE減水剤を使用する場合は±2.0cmとなります。)

選択肢2. 鋼管充填コンクリートの落し込み工法において、できる限りコンクリートの分離が生じないように、打込み当初のコンクリートの自由落下高さを1m以内とした。

自由落下の距離が長いと衝撃でコンクリートが分離する可能性があります。

そのためコンクリートの標準示方書では自由落下の高さは1.5m以下とされてます。

選択肢3. 設計基準強度60N/mm2の高強度コンクリートの打込みにおいて、高性能AE減水剤を使用しているので、外気温にかかわらず、練混ぜから打込み終了までの時間の限度を120分とした。

通常、コンクリート打設の練り混ぜから打込み完了の時間は、品質管理上、外気温によって規定されています。

25℃未満・・120分

25℃以上・・90分 となっています。

しかし高強度コンクリートや高流動コンクリートは、外気温に関わらず120分以内とすることができます。

選択肢4. コンクリートの締固めについては、公称棒径45mmのコンクリート用棒形振動機のほかに、型枠振動機及び木槌を併用したので、棒形振動機の挿入間隔を80cm程度とした。

棒形振動機を使用する場合、挿入間隔は60cm以下とする必要があります。

なお加振時間は5~15秒の範囲が一般的です。かけすぎると砂と水が分離してしまう恐れがあります。

まとめ

何度も過去問を解き、解説を読んで、数値の関係をつかんでください。

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02

1→適当です。

JIS A 1101によります。

スランプが8cm以上18cm以下のフレッシュコンクリートのスランプ試験許容差は±2.5cmです。

スランプが18cmの場合は 15.5~20.5cm が許容される範囲となります。

2→適当です。

コンクリートのポンプ施工指針によります。

吐出口から打込み面までの高さは1.5m以下としています。

3→適当です。

JASS5によります。

高強度コンクリートにおいては、外気温にかかわらず練混ぜから打込み終了までの時間の限度を120分とします。

4→不適当です。

JASS5によります。

型枠振動機及び木槌を併用しても、公称棒径45mmのコンクリート用棒形振動機の締固め有効範囲は60cm以下程度とします。

よって、挿入間隔が80cm程度では大きすぎます。

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03

正解は「4」です。

1.正しい

スランプ値は指定の値に対しある程度の許容値が定められています。

指定のスランプ値が8〜18cmの場合、±2.5cmまでは認められています。

スランプ値が18cmとされている場合、

15.5cm~20.5cmまでは許容値となります。

2.正しい

コンクリートを上部から自由落下で落とし込んで打設するとき、

この自由落下する距離が長い場合

衝撃でコンクリートが分離してしまう恐れがあります。

そのためコンクリートの標準示方書では

自由落下の高さは1.5m以下が推奨されています。

3.正しい

コンクリートを打設するときの練り混ぜから打ち込み完了の時間は

品質管理上、外気温によって規定されています。

外気温が25℃未満なら120分以内

25℃以上であれば90分以内となっていますが、

強度を担保できる高強度コンクリートや、

流動性が高く打設が早い高流動コンクリート

外気温に関わらず120分以内とすることができます。

4.誤り

コンクリートを締固めるためには振動機を利用します。

棒形振動機を使用する場合、

挿入間隔は60cm以下とする必要がありますので、

80cmでは間隔が広すぎます。

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