一級建築士の過去問 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問112
この過去問の解説 (3件)
1→適当です。
設問の通りです。
2→不適当です。
JASS10によります。
プレキャスト部材に用いるコンクリートの空気量は、特記がなく、凍結融解作用を受けるおそれもない場合は、目標値を3.0%とします。
凍結融解作用を受ける場合は、目標値が4.5%のAEコンクリートとし、工事監理者の承認を受けます。
設問では、凍結融解作用を受けるおそれがない場合の目標値を「4.5%」としているため、誤りです。
3→適当です。
JASS10によります。
プレキャスト部材の設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに5mmを加えた値以上とします。
・標準・長期:屋内側 柱・梁・耐力壁 30mm、床スラブ・屋根スラブ 20mm
・標準・長期:屋外側 柱・梁・耐力壁 40mm、床スラブ・屋根スラブ 30mm
・超長期:屋内側 柱・梁・耐力壁 30mm、床スラブ・屋根スラブ 30mm
・超長期:屋外側 柱・梁・耐力壁 40mm、床スラブ・屋根スラブ 40mm
※標準・長期で、耐久性上有効な仕上げを施す場合には、屋外側は10mm減じることができます。
設問では、「標準・屋外側、耐久性上有効な仕上げを施す」場合について、柱・梁・耐力壁 35mm(40 − 10 + 5)、床スラブ・屋根フラブ 25mm(30 − 10 + 5)とあるため、適当です。
4→適当です。
JASS10によります。 設問の通りです。
溶接後の冷却によって収縮し残留応力が発生するため、溶接作業を連続して行ったうほうが、残留応力が過大となりません。
プレキャスト鉄筋コンクリート工事とは、あらかじめ工場で製造した鉄筋コンクリート部材を、現場で組み立てて構築する建築物の工事です。
その通りです。
第三者機関の認定を取得した仮設工場で製作することができます。
空気量は基本的に特記によりますが、特記がない場合は、空気量3%以下とします。
凍結融解作用を受ける恐れがある場合は、空気量4.5%を目標値とします。
よって誤りです。
プレキャスト部材のかぶり厚さは、部材の位置、計画供用期間、屋内、屋外等の条件により規定されています。
・標準・長期の柱・梁・耐力壁(屋内側)・・・30mm
・屋外・・・屋内+10mm
・構造上、重要度の低い床スラブや非構造部材・・・基本−10mm
となります。
エンクローズ溶接は鉄筋の突合せ溶接です。溶部材が冷却されると収縮が起こるため鉄筋の引張の残留応力が生じます。収縮を防ぐために建物の中央から外側に溶接を進め、同一接合部の溶接を連続して行います。
比較的範囲が狭く、覚えることも少ないため確実に正解したいです。
コンクリート工事と混同しないよう気を付けてください。
正解は「2」です。
1.正しい
選択肢の通り、プレキャストの部材については仮設工場で製造することが可能です。
2.誤り
部材に用いるコンクリートの空気量は、
凍結融解作用を受ける恐れがない場合は、目標値を3.0%以下とします。
一方で、凍結融解作用を受ける可能性がある場合は
凍結した際の体積膨張の逃げ道を作るためにも空気量を増やし、
目標値を4.5%とします。
3.正しい
プレキャスト部材のかぶり厚さは、部材の位置、計画供用期間、
屋内か屋外かにより規定されています。
覚えておくべきは下記の法則です。
・基本となる「標準・長期の柱・梁・耐力壁(屋内側)はかぶり厚30mm」
・屋外は屋内+10mmが必要
・構造上、重要度の低い床スラブや非構造部材は基本-10mmでも良い
4.正しい
エンクローズ溶接は鉄筋の突合せ溶接のことを指します。
溶接後に部材が冷却されると1mm程度の収縮が起こるため
鉄筋の引張の残留応力が生じます。
その影響を最小限にするために建物の中央から外側に向けて溶接を進め、
また同一接合部の溶接を連続して行うようにします。
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