一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問115

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

木造軸組工法の住宅の建築工事に関する次の記述のうち、監理者の行為として、最も不適当なものはどれか。
  • 柱脚部において、短期許容耐力20kNのホールダウン金物(引寄せ金物)をホールダウン専用アンカーボルトで緊結する箇所については、アンカーボルトのコンクリートへの埋込み長さが360mm以上であることを確認した。
  • 出隅にある通し柱と胴差との仕口については、大入れ蟻掛けとし、かね折り金物を当て、六角ボルト締め、スクリュー釘打ちされていることを確認した。
  • 垂木の軒桁への留付けは、ひねり金物を当て、釘打ちされていることを確認した。
  • 2階床梁の継手を追掛け大栓継ぎとする箇所については、上木先端部が柱心より150mm内外となるように下木が持ち出されていることを確認した。

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この過去問の解説 (3件)

01

1→適当です。

木造住宅工事仕様書によります。

埋込み長さは360mm以上とします。

2→不適当です。

木造住宅工事仕様書によります。

出隅にある通し柱と胴差との仕口については、傾木大入れ短ほぞ差しとし、かね折り金物を当て、六角ボルト締め、スクリュー釘打ちとします。

設問では、「大入れ蟻掛け」となっているため誤りです。

大入れ蟻掛けとは、土台同士、梁同士の仕口のことです。

3→適当です。

木造住宅工事仕様書によります。

垂木の軒桁への留付けは、ひねり金物又は折曲げ金物を用い、釘打ち補強します。

4→適当です。

木造住宅工事仕様書によります。

追掛け大栓継ぎは、上木先端部が柱心より150mm内外となるように下木を持ち出します。

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02

木工事では、基礎的な用語はもちろん、一歩踏み込んだ細かな数値を覚えてください。

選択肢1. 柱脚部において、短期許容耐力20kNのホールダウン金物(引寄せ金物)をホールダウン専用アンカーボルトで緊結する箇所については、アンカーボルトのコンクリートへの埋込み長さが360mm以上であることを確認した。

ホールダウン金物は、柱が抜けないよう柱と基礎を緊結する金物です。

アンカーボルトも抜けないように、一定量以上の埋め込み長さが必要となります。

具体的には、短期許容耐力が25kN以下の場合は埋め込み長さ360mm以上、

耐力が25〜35.5kNの場合は510mm以上が必要となります。

選択肢2. 出隅にある通し柱と胴差との仕口については、大入れ蟻掛けとし、かね折り金物を当て、六角ボルト締め、スクリュー釘打ちされていることを確認した。

出隅にある通し柱と胴差との仕口については、傾木大入れ短ほぞ差しとし、かね折り金物を当て、六角ボルト締め、スクリュー釘打ちとします。

設問は、「大入れ蟻掛け」となっているため、誤りです。

選択肢3. 垂木の軒桁への留付けは、ひねり金物を当て、釘打ちされていることを確認した。

ひねり金物とは、方向が異なる部材を接合できる金物です。

設問のように、垂木と軒桁の接続などに用いられます。

選択肢4. 2階床梁の継手を追掛け大栓継ぎとする箇所については、上木先端部が柱心より150mm内外となるように下木が持ち出されていることを確認した。

2階の床張りの継手は、以下の2つのうちいずれかの方法とします。

① 台持ち継ぎとして六角ボルト2本締め

② 追掛け大栓継ぎとし、上木の先端部を受け材心より150mm内外となるよう下木持ち出し

設問は②の方法となります。

まとめ

木工事は毎年出る分野ではないため、勉強がおろそかになりがちですが、いざ出題されたときには得点源となります。

過去問の設問はすべて理解できているようにしてください。

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03

正解は「2」です。

1.正しい

ホールダウン金物は、柱に引き抜き力が生じたときに

柱が抜け出さないよう柱と基礎を緊結する金物です。

従ってアンカーボルトも引き抜かれないよう

一定量以上の埋め込み長さが必要となります。

具体的には、短期許容耐力が25kN以下の場合は埋め込み長さ360mm以上

耐力が25〜35.5kNの場合は510mm以上とする必要があります。

2.誤り

通し柱と胴差の仕口は、傾き大入れ短ほぞ差しとし、

矩折り金物当て六角ボルト締めとします。

胴差の端部を斜めに切って大入れにする仕口です。

3.正しい

ひねり金物は方向が異なる部材を接合できるひねられた金物であり、

選択肢のように、垂木と軒桁の接続などに用いられます。

4.正しい

2階の床張りの継手は

台持ち継ぎとして六角ボルト2本締め」

追掛け大栓継ぎとし、上木の先端部を受け材心より150mm内外となるよう下木持ち出し」

のいずれかの方法とします。

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