一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問117

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問題

一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問117 (訂正依頼・報告はこちら)

左官工事、タイル工事及び石工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 床コンクリート直均し仕上げにおいて、ビニル床シートの下地となる床コンクリートの仕上りの平坦さの標準値については、特記がなかったので、1mにつき10mm以下とした。
  • セメントモルタルによるタイル後張り工法において、床タイル張り面の伸縮調整目地の位置については、特記がなかったので、縦・横ともに4m以内ごとに設けた。
  • セメントモルタルによるタイル後張り工法において、外壁タイルの引張接着強度を確認する試験体の個数については、100m2ごと及びその端数につき1個以上とし、かつ、全体で3個以上とした。
  • 内壁空積工法による石工事において、幅木の裏には、全面に裏込めモルタルを充填した。

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この過去問の解説 (3件)

01

複合問題となります。

それぞれの基礎的な用語、数値は覚えておかなければなりません。

選択肢1. 床コンクリート直均し仕上げにおいて、ビニル床シートの下地となる床コンクリートの仕上りの平坦さの標準値については、特記がなかったので、1mにつき10mm以下とした。

下地の平坦さは仕上げの厚さにより規定があります。

仕上げが薄い場合は平坦さが厳しく求められますが、仕上げが厚い場合は平坦さは厳しくありません。

具体的には下記の通りになります。

①コンクリート打ち放し:3mにつき7mm以下

②仕上げ厚さが7mm未満:3mにつき10mm以下

③仕上げ厚さが7mm以上:1mにつき10mm以下

設問の場合、①となるため、1mにつき10mm以下では誤りです。

選択肢2. セメントモルタルによるタイル後張り工法において、床タイル張り面の伸縮調整目地の位置については、特記がなかったので、縦・横ともに4m以内ごとに設けた。

伸縮目地とは、温度変化や地震などの外力によって生じる変形を吸収するために設けられる目地です。

3〜4m間隔で設けるよう規定されています。

選択肢3. セメントモルタルによるタイル後張り工法において、外壁タイルの引張接着強度を確認する試験体の個数については、100m2ごと及びその端数につき1個以上とし、かつ、全体で3個以上とした。

施工後2週間の時点で、引張試験機などを用いてタイルの引張接着強度を確認する必要があります。

抜き取り検査となり、試験体の数量は100m2以下ごとに1個以上、かつ全面積で3個以上であれば良いとされています。

選択肢4. 内壁空積工法による石工事において、幅木の裏には、全面に裏込めモルタルを充填した。

コンクリートと石材の間には空間が生ずるので、衝撃による破壊や変形を防ぐため、巾木の裏側全面、もしくは巾木がない場合は最下部の石裏に、高さ100mm程度まで裏込めモルタルを充填します。

まとめ

最低でも、過去問の数値、特徴、注意点は覚えておくようにしてください。

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02

1→不適当です。

公共建築工事標準仕様書によります。

ビニル床シートの下地となる床コンクリートの仕上りの平坦さの標準値については、3mにつき7mm以下とします。

2→設問の通りです。

JASS19によります。

縦・横ともに4m以内ごとに設けます。

3→設問の通りです。

公共建築工事標準仕様書によります。

4→設問の通りです。

JASS9によります。

幅木裏には全面充填します。

参考になった数10

03

正解は「1」です。

1.誤り

左官工事におけるコンクリート仕上げの平坦さは、

その部分に適用される仕上げの種類によって規定されています。

仕上げが薄い場合はコンクリートの平坦さが厳しく求められますが、

仕上げが厚い場合は仕上げ材で調整が可能であるため

コンクリートの平坦さは厳しくありません。

具体的には下記のとおりです。

コンクリート打ち放し/仕上げが極めて薄い/良好な表面状態が必要:3mにつき7mm以下

仕上げ厚さが7mm未満:3mにつき10mm以下

仕上げ厚さが7mm以上:1mにつき10mm以下

選択肢の場合、コンクリート打ち放しとなるため

1mにつき10mm以下では不十分です。

2.正しい

タイルの目地については

公共建築工事標準仕様書に定められています。

伸縮目地は温度変化や地震などの外力によって生じる変形を

吸収するために設けられる目地であり、

3〜4m間隔で設けるよう規定されています。

3.正しい

建物の使用中にタイルが剥離しないよう、

施工後2週間の時点で引張試験機などを用いて

タイルの引張接着強度を確認する必要があります。

一般的に建築工事で施工されるタイルは非常に大量のため、

抜き取り検査が認められています。

試験体の数量は100m2以下ごとに1個以上

かつ全面積で3個以上であれば良いとされています。

4.正しい

内壁空積工法は、コンクリートの躯体に対し

金物で石材を緊結する工法です。

このとき緊結されるコンクリートと石材の間には空間が生じますが、

衝撃による破壊や変形を防ぐため、巾木の裏側全面

もしくは巾木がない場合は最下部の石裏に高さ100mm程度まで

裏込めモルタルを充填します。

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