一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問121

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「1」です。

1.誤り

樋と屋根ふき材がいずれも金属材の場合、

それぞれの金属で電位差があると電食が生じ

一方の金属が早期に腐食してしまいます。

そのため両者の電位差が大きくならないような

材料を選定する必要がありますが、

銅板と溶融亜鉛めっきは電位差が大きく、

樋が腐食しやすくなるため、誤りです。

2.正しい

防火区画を貫通するダクトには、

火災時に自動閉鎖する防火ダンパーを設けますが、

これら区画とダンパーの間は厚さ1.5mm以上の鉄板で作るか、

鉄網モルタル塗りなどの不燃材料で被覆します。

3.正しい

タイトフレームは折板屋根において

折板と受けばりを緊結する役割を果たす金物です。

折板屋根が風などを繰り返し受けた際に

緊結部が緩んで飛ばされたりすることがないように、

アーク溶接(すみ肉溶接)で固定します。

4.正しい

選択肢の通り、PF管を軽量鉄骨間仕切り壁内に敷設する際は

バインド線や専用支持具を用いて1.5m以内の取付間隔とします。

なお、電線管としてはPF管の他にCD管という

コンクリート中でしか利用できない管もあるので

混同しないように覚えておきましょう。

参考になった数14

02

施工の問題は、ただ数値や用語を暗記するのではなく、なぜそうなるのか?という理由を理解しておくことで、応用問題にも対応できます。

選択肢1. 銅板葺屋根に取り付ける軒樋については、耐候性を考慮して、銅との電位差が大きい溶融亜鉛めっき鋼板製のものとした。

接触する部材がいずれも金属材の場合、電位差があると電食が生じ早期腐食の原因となります。

電位差が大きくならないような材料を選定する必要がありますが、

設問の銅板と溶融亜鉛めっきは電位差が大きく、腐食しやすいです。

選択肢2. 防火区画の壁を貫通するダクトにおいて、防火区画に近接して防火ダンパーを設けるに当たり、当該防火ダンパーと当該防火区画との間のダクトは、厚さ1.6mmの鉄板で造られたものとした。

防火区画を貫通するダクトには、火災時に自動閉鎖する防火ダンパーを設けます。

これら区画とダンパーの間のダクトの鉄板は厚さ1.5mm以上の鉄板か、鉄網モルタルなどの不燃材料で被覆する必要があります。

選択肢3. 金属板による折板葺において、タイトフレームと受け梁との接合については、風による繰返し荷重による緩みを防止するため、ボルト接合とせずにすみ肉溶接とした。

タイトフレームとは、折板屋根の折板と受けばりを緊結する金物です。

折板屋根が風などで緊結部が緩んで飛ばされたりすることがないように、アーク溶接(すみ肉溶接)で固定します。

選択肢4. 軽量鉄骨間仕切壁内に配管する合成樹脂製可とう電線管(PF管)については、バインド線を用いて支持し、その支持間隔を1.5m以下とした。

設問通り、PF管を軽量鉄骨間仕切壁内に設置する場合、バインド線や専用支持具を用いて1.5m以内の取付間隔とします。

まとめ

過去問を完全に覚えて、施工のイメージも取り入れましょう。

数値が混同しないように気を付けてください。

参考になった数10

03

1→不適当です。

JASS12によります。

両金属管の電位差が大きいほど早い時期に腐食するため、イオン化傾向が小さい(錆びにくい)材料とします。

2→適当です。

建告(H12)第1376号によります。

設問の通り、厚さ1.5mm以上の鉄板、又は鉄網モルタル塗りその他の不燃材料で被覆します。

3→適当です。

建築工事監理指針によります。

設問の通り、ボルト接合とせずにすみ肉溶接とします。

4→適当です。

設問の通り、支持間隔を1.5m以下とします。

参考になった数5