一級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科5(施工) 問122
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問題
一級建築士試験 令和3年(2021年) 学科5(施工) 問122 (訂正依頼・報告はこちら)
耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 既存柱と壁との接合部に耐震スリットを新設する工事において、既存の壁の切断に用いる機器を固定する「あと施工アンカー」については、柱や梁への打込みを避け、垂れ壁や腰壁に打ち込んだ。
- あと施工アンカー施工後の確認試験については、特記がなかったので、引張試験機による引張試験とし、1日に施工された「あと施工アンカー」の径及び仕様ごとにロットを構成した。
- 鉄筋コンクリートの増打ち耐震壁の増設工事において、増設壁の鉄筋の既存柱への定着は、既存柱を斫(はつ)って露出させた柱主筋に、増設壁の鉄筋端部を135度に折り曲げたフックをかけた。
- 金属系アンカーの「あと施工アンカー工事」において、特記がなかったので、打込み方式のアンカーは所定の位置まで打ち込むことにより固着させ、締付け方式のアンカーはナット回転法で締め付けることにより固着させた。
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この過去問の解説 (3件)
01
耐震改修工事は工種、規定が多いので、過去に出題されたものは完璧に覚えてください。
耐震スリットは、柱、梁、壁に応力が集中するのを防ぐために設けます。
柱であれば短柱を防いだりする目的がありますので、「あと施工アンカー」については柱や梁といった躯体への打ち込みは避けます。
あと施工アンカーの引張試験は、特記がない限り引張試験機によって行います。
1ロットは1日に施工された径および仕様ごととします。また箇所としては1ロットに対し3本とし、ロットから無作為抽出試験で行います。
耐震壁の増し打ちでは、既存の躯体と一体化させるため、鉄筋同士を定着させる必要があります。
耐震壁側の鉄筋に135度以上のフックを設けることで既設の鉄筋にかけるか、溶接します。
金属系のあと施工アンカーは、その施工方法により打込み方式と締付け方式に分類されます。
締付け方式はトルクレンチを用いてトルク管理を行い、所定のトルク値までの締付けを行う必要があります。
「あと施工アンカー」の金属系アンカーと接着系アンカーの特色を理解していれば解ける問題だと思います。
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02
正解は「4」です。
1.正しい
耐震スリットは、もともと耐震設計を考慮していなかった
鉄筋コンクリート造の建物に対し、
壁が柱や梁などの躯体に影響することで
耐震性を低下させることを防ぐために設けます。
施工時に使う機器をあと施工アンカーで固定することがありますが、
この際は一時的に機器を固定するのみなので
柱や梁といった躯体への打ち込みは避けます。
2.正しい
あと施工アンカーの引張試験は
特記がない限り引張試験機によって行い、
1ロットは1日に施工された径および仕様ごととします。
また箇所としては1ロットに対し3本とし、
ロットから無作為に抽出して試験を行います。
3.正しい
耐震壁の増し打ちは、既設の架構と一体化させるため
鉄筋同士を定着させる必要があります。
選択肢のように増設する耐震壁側の鉄筋に
135°以上のフックを設けることで既設の鉄筋にかけるか、
溶接して固定します。
4.誤り
金属系のあと施工アンカーのうち、
金属拡張アンカーという先端部が拡張し固着するアンカーは
その施工方法により打ち込み式と締め込み式に分類されます。
締め込み式はトルクレンチを用いてトルク管理を行い、
所定のトルク値までの締付けを行う必要があります。
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03
1→適当です。
建築改修工事監理指針によります。
設問の通り、垂れ壁や腰壁に打ち込みます。
2→適当です。
公共建築改修工事標準仕様書によります。
特記がなければ、設問の通りにします。
3→適当です。
建築工事監理指針によります。
135度に折り曲げたフックを鉄筋にかけるか溶接します。
4→不適当です。
公共建築改修工事標準仕様書によります。
トルク値まで締め付けます。
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