一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(計画) 問5
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(計画) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
木材等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 屋外に階段やバルコニーを木造で設置する場合、雨がかりが極力生じないような計画とすることや接合部に水分が常時滞留しないように配慮する。
- 木材は炭素を貯蔵する特性があり、また、製材は鋼材に比べて製造時に使用するエネルギーが少ない材料である。
- 木材の乾燥収縮率の大小関係は、年輪の半径方向 > 年輪の接線方向 > 繊維方向である。
- 木材の種類による気乾密度の大小関係は、一般に、チーク > ヒノキ > キリである。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は木材の性質をイメージすることが大切です。
特に「木材の乾燥収縮率の大小関係」は出題率が高いので、おさえておきたい設問です。
正しいです。
屋外階段やバルコニーを作る場合は、雨がかりの対策や防腐措置が必要であり、かつ、水分が滞留してしまうような箇所への設置は望ましくありません。
正しいです。
木材は炭素を貯蔵する特性があり、ほかの材料と比べて、製造時に使用するエネルギーが極端に少なくなっています。
誤りです。
木材の乾燥収縮率の大小関係は、年輪の接線方向 > 年輪の半径方向 > 繊維方向 となります。
正しいです。
木材の気乾密度の大小関係は、チーク > ヒノキ > キリ です。
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02
木造や材木に関する問題です。
→正しいです。
耐候性に劣る木造で、屋外に設ける階段やバルコニーを計画するということは、腐食しない為の措置をとる必要があります。
特に接合部に水がたまらないような計画、水分が常時滞留しないような納まりとする必要があります。
また、建築基準法上、一定規模以上、特定の用途の建築物に限り、木造の屋外階段を規制しています。
→正しいです。
森林は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として取り込まれ、木々の栄養として貯蔵され、幹や枝、葉など樹体を形成します。
そのため、建築資材である材木には炭素が貯蔵されています。
また、製材にかかるエネルギー消費量は、鋼材など他の建材に比べ、特段に少ない材料であると言えます。
これは前述しました通り、建材において木材のみが、生成過程で二酸化炭素を大量に吸収・貯蔵するためです。
→誤りです。
含水率が繊維飽和点以下の木材において、乾燥収縮率の大小関係は、
年輪の接線方向 > 半径方向 > 繊維方向 です。
→正しいです。
気乾比重が大きいほど気乾密度も大きくなります。
気乾比重はチーク0.69程度、ヒノキ0.41程度、キリ0.29程度です。
キリは日本で最も軽い木だと言われています。
木材の特性についてよく整理しておきましょう。
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03
この問題は木材の性質に関する知識を問う問題です。
正しいです。
木材は水分により腐食が促されます。雨がかりが極力生じないようにすることや接合部に水分が常時滞留しないように配慮することなどに注意する必要があります。
正しいです。
木材は鋼材に比べ加工が容易のため、製材や製造に使用するエネルギーが少ない材料となります。
誤りです。
木材の乾燥収縮率の大小関係は
年輪の接線方向 > 年輪の半径方向 > 繊維方向 となります。
一般的に、繊維方向の収縮率の約5~10倍が年輪の半径方向、半径方向の約2倍が年輪の接線方向の収縮率といわれています。
正しいです。
気乾密度は、同じ体積での重量の比を表しています。
同じ体積では、気乾密度が大きいほうが重くなります。
単純な暗記のみではなく、木材の性質による理解を深めておく必要があります。
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