一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(計画) 問7

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問題

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この過去問の解説 (3件)

01

都市計画論のうち、防犯計画等に関する問題です。

選択肢1. 割れ窓理論とは、建築物の窓が割られたまま放置されると、建築物を管理する人がいないと判断され、最終的にはその建築物の全ての窓が割られてしまうという比喩によって、犯罪発生のメカニズムを説明したものである。

→正しいです。

軽微なことから徹底的に取り締まることで、あらゆる犯罪を抑止できるとした考えをいいます。

建築物の窓が割られたまま放置されると、建築物を管理する人がいないと判断され、最終的にはその建築物の全ての窓が割られてしまうという比喩により、小さなことにも注意を払うことが、秩序を保つことにつながるとしています。

選択肢2. ジェイン・ジェイコブズは、著書「アメリカ大都市の死と生」において、頻繁に使われている街路は安全となる傾向にあり、街路には常に住民、通行人、店員などの多数の目を置く必要があるとしている。

→正しいです。

ジェイン・ジェイコブズは、著書「アメリカ大都市の死と生」において、頻繁に使われている街路は安全となる傾向にあり、街路には常に住民、通行人、店員などの多数の目を置く必要があるとしています。

同時に、都市の賑わいのためには多様性が必要であるとし、小さな街区・古い建物の保存など4つの条件を示しています。

選択肢3. CPTED(防犯環境設計)とは、「周囲からの見通しを確保すること」、「コミュニティ形成を促進すること」、「犯罪企図者の接近を妨げること」、「部材や設備等を破壊されにくいものとすること」という手法による犯罪予防策である。

→正しいです。

CPTEDは直訳すると『環境設計による犯罪予防』となります。

「周囲からの見通しを確保すること」、「コミュニティ形成を促進すること」、「犯罪企図者の接近を妨げること」、「部材や設備等を破壊されにくいものとすること」という手法による犯罪予防策をいいます。

選択肢4. プルーイット・アイゴー(アメリカ)は、1950年代に建設された低所得者向けの集合住宅群であり、開放的な低層住宅とすることにより、犯罪発生率の大幅な低下を実現した事例である。

→誤りです。

プルーイット・アイゴー(アメリカ)は、1950年代に建設された低所得者向けの集合住宅群ですが、住みやすさの軽視など、設計上の問題等から、次第にスラム化し犯罪発生率が増加した事例です。1972年に解体されました。

まとめ

CPTEDは頻出語です。しっかり覚えましょう。

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02

近年、防犯計画についての出題が多くなってきています。

「CPTED」の手法は、よく理解するようにして下さい。

選択肢1. 割れ窓理論とは、建築物の窓が割られたまま放置されると、建築物を管理する人がいないと判断され、最終的にはその建築物の全ての窓が割られてしまうという比喩によって、犯罪発生のメカニズムを説明したものである。

正しいです。

「割れ窓理論」とは、建築物の窓が割られたまま放置されると、建築物を管理する人がいないと判断され、ごみが捨てられ、地域の環境が悪化し、犯罪が多発するという犯罪理論です。

選択肢2. ジェイン・ジェイコブズは、著書「アメリカ大都市の死と生」において、頻繁に使われている街路は安全となる傾向にあり、街路には常に住民、通行人、店員などの多数の目を置く必要があるとしている。

正しいです。

ジェイン・ジェイコブズは「アメリカ大都市の死と生」において、街路の上では誰もが安心していられるようにする必要があるとし、「常に多数の眼をおくこと」「建物は通りに面して建てられるべきであること」の必要性を主張しています。

選択肢3. CPTED(防犯環境設計)とは、「周囲からの見通しを確保すること」、「コミュニティ形成を促進すること」、「犯罪企図者の接近を妨げること」、「部材や設備等を破壊されにくいものとすること」という手法による犯罪予防策である。

正しいです。

「CPTED」とは、周囲からの見通しを確保すること(監視性の確保)、コミュニティ形成を図ること(領域性の強化)、犯罪企図者の接近を妨げること(接近の制御)、部材や設備等を破壊されにくいものとすること(被害対象の強化・回避)の4つを基本とした犯罪予防の手法です。

選択肢4. プルーイット・アイゴー(アメリカ)は、1950年代に建設された低所得者向けの集合住宅群であり、開放的な低層住宅とすることにより、犯罪発生率の大幅な低下を実現した事例である。

誤りです。

「ブルーイット・アイゴー」は、アメリカのセントルイスの中心部に建てられた集合住宅で、巨大な公共住宅団地です。

当初から思うように入居者が決まらず、管理も疎かになり、スラム化してしまいました。

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03

この問題は防犯計画等に関する問題です。

選択肢1. 割れ窓理論とは、建築物の窓が割られたまま放置されると、建築物を管理する人がいないと判断され、最終的にはその建築物の全ての窓が割られてしまうという比喩によって、犯罪発生のメカニズムを説明したものである。

正しいです。

アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが提唱した「割れ窓理論」は、設問の説明のとおりの犯罪発生のメカニズムを説明しています。

選択肢2. ジェイン・ジェイコブズは、著書「アメリカ大都市の死と生」において、頻繁に使われている街路は安全となる傾向にあり、街路には常に住民、通行人、店員などの多数の目を置く必要があるとしている。

正しいです。

ジェイン・ジェイコブズは、街路の安全性を確保することは、都市全体の安全を保つことに繋がるとの考えを唱えました。

選択肢3. CPTED(防犯環境設計)とは、「周囲からの見通しを確保すること」、「コミュニティ形成を促進すること」、「犯罪企図者の接近を妨げること」、「部材や設備等を破壊されにくいものとすること」という手法による犯罪予防策である。

正しいです。

CPTED(防犯環境設計)は、犯罪が発生しにくい環境を形成する考え方をいいます。

設問にある4つの要素を総合的に組み合わせて計画します。

選択肢4. プルーイット・アイゴー(アメリカ)は、1950年代に建設された低所得者向けの集合住宅群であり、開放的な低層住宅とすることにより、犯罪発生率の大幅な低下を実現した事例である。

誤りです。

11階建の高層の集合住宅群であるプルーイット・アイゴーは当初より入居者も少なく、空き家が多くあったため、器物破壊なども放置されスラム化した結果、犯罪発生率が多くなった事例です。

まとめ

用語の意味とともに、防犯計画の考えや手法を理解しておくようにしておきましょう。

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