一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(計画) 問8
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(計画) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の各部の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 総合病院の改修計画において、一般病床の床面積が内法15m2の2床室を、小児専用の4床室とした。
- 市民ホールに設ける300席の小ホールの計画において、車椅子使用者用を含めて客席配置の自由度を高めるため、平土間形式とした。
- 小学校の計画において、低学年の普通教室(35人)の平面形状は、情報端末や教科書等の教材の使用に配慮した机等のサイズ拡大を考慮し、流し台を含めて9m×9mとした。
- ホテルの計画において、車椅子使用者用客室の出入口には、有効幅員が80cmの引戸を採用し、取っ手側に幅45cmの接近できるスペースを設けた。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、各施設の計画に関する問題です。
数値や形式をしっかり記憶しましょう。
誤りです。
病院の小児だけを入院させる病室の床面積は、一般病室の床面積最低基準(6.4㎡/床)の 2/3 以上とすることができます。
6.4(㎡/床)× 2/3 = 4.26(㎡/床)となり、4床室にするには最低でも17.06㎡以上の床面積が必要です。
正しいです。
平土間形式は、車椅子使用者用も含めて客席配置の自由度が高く、オープンなスペースとして利用できる形式です。
正しいです。
普通教室の標準設計は児童1人当たり1.6㎡程度で7m×9mですが、近年は大型化している傾向にあり、流し台も含めて9m×9mの計画は妥当性があります。
正しいです。
ホテルの車椅子使用者用客室は、出入口を極力引戸とし、有効幅員を80cm以上確保します。また、取っ手側には45cm程度の車椅子使用者が接近できるスペースを確保することが望ましいです。
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02
この問題は、各施設の計画にあたり、数値を問う問題です。
→誤りです。
病院の病室・診療所の療養病床に係る床面積は、患者1人につき6.4㎡以上とされています。
小児だけを入院させる病室は、6.4㎡以上の2/3(4.09㎡)としても良いとされています。
設問は改修前は15㎡の一般病室で2名利用ですので、7.5>6.4㎡となり、正しいですが、
改修後は小児専用病室で4名利用ですので、3.75<4.09㎡となり、最低基準以下となります。
→正しいです。
平土間形式は名前の通り、段差のない平土間空間が大きいのが特徴です。
例えば、音楽ホールのプロセニアム形式に比べ、車椅子利用者の客席位置について制限が無く、比較的自由度が高いホール形式です。
→正しいです。
普通教室の基準は児童1人当たり1.6㎡程度で、広さは7m×9mです。
近年は大型化している傾向にあり、流し台も含めて9m×9mの計画であれば、余裕があると考えられます。
→正しいです。
車椅子使用者にとっては、前後方向の動作よりも、左右方向の動作がしやすいので、出入口を引戸とし、取っ手側には45cm程度空きスペースを設けることは妥当です。
また、車椅子幅及び動作を考慮し、有効幅員を80cm以上確保することが必要です。
日常で見たことのある施設と、照らし合わせて考えるとよく覚えられます。
数値は最低の基準なのか、平均的な基準(多少のずれは許容範囲)なのかも含めて、覚えましょう。
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03
この問題は各種用途の建築物に関する問題です。
誤りです。
構造基準では、1床当たり内寸で6.4m2以上と定められています。ただし、小児だけを入院させる病室の床面積は前出面積の2/3以上とすることができます。
小児専用4床→6.4m2×4床×2/3→約17.1㎡以上必要の為、15m2では基準を満たせていません。
正しいです。
平土間形式は段差がないため、客席配置の自由度は高くなります。また段差がないため、車椅子使用者の移動も容易になります。
正しいです。
普通教室の広さは、1950年の整備モデル7m×9m(児童1人当たり1.6m2程度)を基準としたものが多くみられます。近年では、情報端末や教科書等の教材の使用に配慮した机等のサイズ拡大を考慮するため、教室の拡大を提唱されています。設問では、35人で9m×9mの教室は、児童一人当たり2.6m2程度となるため妥当と考えられます。
正しいです。
建築物移動等円滑化誘導基準では、車椅子使用者用客室の出入口は、有効幅員を80cmと定められています。また引戸を採用し、取っ手側に幅45cmの接近できるスペースを設けることは利用上望ましいです。
様々な用途の建築物があり、その用途の特徴とともにさまざまな基準を覚えておく必要があります。
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