一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(計画) 問11
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(計画) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
まちづくりや都市の再生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 松山市道後温泉本館周辺地区(愛媛県)は、シンボル性・公共性が高い歴史的建築物の周辺を、道路の付け替えを行うことで歩行者のための空間とし、軌道で使われていた手加工の敷石を舗装に再利用することで歴史的建築物と調和した景観づくりが行われた。
- 最上郡金山町金山地区(山形県)は、町の基幹産業である木材を活用した住宅の表彰制度や、建築物の屋根や外壁に関する景観条例の制定、教育施設等の公共施設の建て替え、歴史的建築物の改修による景観づくりが行われた。
- クリチバ(Curitiba、ブラジル)は、バスを優先する幹線道路と、その両側に平行する支線道路等、道路の構造を都市計画的に再編し、連結されたバス車両や、プラットホームのある停留所による交通システムが構築された。
- ハイライン(New York、アメリカ)は、建築物の高密化と老朽化に伴いスラム化した市街地において、建築物を減築し、病院を図書館へ改築するなどの文化施設の整備により都市再生が行われた。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は街づくりや都市再生に関する問題で、見慣れない設問が多かったと思います。
各設問の街づくりや都市再生の特徴を、しっかり理解するようにしましょう。
正しいです。
松山市道後温泉本館周辺地区は、道後温泉と道後温泉駅をつなぐ道路を見直し、街路の付け替えや歩道の整備を行うことで、歩行者主体の空間としました。
また、その道路には、手加工の敷石を舗装に再利用することで、歴史的建造物と調和した景観としました。
正しいです。
最上郡金山町金山地区は、白壁にこげ茶色や黒色の切妻屋根が特徴の「金山住宅」が印象的です。
木材を活用した住宅の表彰制度、景観条例の制定、公共施設の建て替え、歴史的建造物の改修等による街づくりが行われました。
正しいです。
クリチバは、ブラジル南部の州都で、バスを主体とた交通システムが構築されています。
バスを優先とした幹線道路等、道路の構造を都市計画的に再編しており、公共交通システムを使ったほうが利便性が良いという状況を作り出しています。
誤りです。
ハイラインは、マンハッタンに所在した廃線となったウエストサイド線と呼ばれる高架貨物線の跡地を再利用した遊歩道のような公園です。
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02
まちづくりや都市の再生に関する出題です。
→正しいです。
「道後温泉本館周辺景観整備計画」により、道後温泉本館やその周辺を回遊する歩行者が、安心して歩行できる空間の確保や景観の向上を図る事業の推進が位置付けられています。
→正しいです。
最上郡金山町金山地区(山形県)は、金山杉の下見板張りが特徴の「金山住宅」などの景観づくりの主要な部分となる家並みが特徴です。
町の基幹産業である木材を活用した住宅の表彰制度を設けるなどの取り組みがなされています。
→正しいです。
クリチバでは、バスを優先する幹線道路と、その両側に平行する支線道路等、道路の構造を都市計画的に再編し、連結されたバス車両や、プラットホームのある停留所による交通システムが構築されています。
アクリルのチューブ状のバス停留所では、バスが停車すると踏み板が自動的に降り、スムーズな乗客の乗り入れができるしくみとなっており、停車時間も短く効率的です。世界中の模範とされています。
→誤りです。
ハイラインとは、マンハッタンのウエストサイド線の廃線になった、高架貨物線の跡地を利用し建設された遊歩道のような空中公園です。
問題の記述は、バルセロナ・ラバル地区(スペイン)に関するものです。
都市計画の出題は、名称と内容の組み合わせの正否を尋ねる形式の問題です。
効率的に特徴をおさえましょう。
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03
この問題は、国内外における都市の再生に関する問題です。
正しいです。
松山市道後温泉本館周辺地区は、シンボル性・公共性が高い歴史的建築物の周辺のファサードを整備し、また歩行者専用道なども整備することで景観と安全に配慮された計画です。
正しいです。
金山地区は、土蔵や白壁・切り妻屋根の木造家屋、水路や堰などがある、良好な街なみの景観を保存・形成している地区になります。
正しいです。
クリチバは、自家用車を極力排除し公共交通を重視した都市計画を行い築いたバスの街です。
誤りです。
ハイラインは、廃線になった貨物専用の高架線跡を再利用し、緑豊かな展望公園へと再生させたものになります。
設問は、スペインのバルセロナのラバル遊歩道の説明です。
都市の再生にはほかにも多くの事例がありますので、過去問を中心に整理しておくようにしましょう。
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