一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(計画) 問16
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(計画) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
高齢者福祉施設、病院及び保育所の火災対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 平家建ての特別養護老人ホームにおいて、共同生活室の天井を高くして蓄煙空間とするとともに、採光のためのトップライトを開くようにして、排煙口の役割を果たすように計画した。
- 介護老人保健施設において、煙の拡散を遅らせるために、防煙垂れ壁を増やし、防煙区画を小さくする計画とした。
- 病院の病棟階(1層2看護単位)において、防火扉を多く設けると避難の妨げとなるので、階段やエレベーターシャフト等の竪穴区画以外には防火区画を設けない計画とした。
- 3階に保育室のある保育所において、幼児数人ごとに保育士等が引率して避難することを想定し、屋内避難階段に隣接した位置に付室を設け、待避スペースとした。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、施設の火災対策に関する問題です。
炎や煙の特徴をしっかり理解することがポイントとなります。
正しいです。
火災による煙は上昇する特徴があるため、畜煙空間を設けるために天井高を高くすることや、トップライトに排煙口の役割を持たすことが、火災対策をする上で効果的です。
正しいです。
火災による煙は上昇する特徴があるため、防煙垂れ壁を設けることで煙の拡散を防止することができます。また、防煙垂れ壁を増やし、防煙区画を密にすることで、更に煙の拡散を抑制することができます。
誤りです。
病院においては、竪穴区画以外にも防火区画を設けることが必要となる場合があります。防火戸にはくぐり戸を設け、避難の妨げとならないようにすることが重要です。
正しいです。
屋内避難階段には、退避スペースの確保を目的として、屋内避難階段に隣接した位置に附室を設けることが効果的です。
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02
この問題は各施設の火災対策・避難計画に関する問題です。
正しいです。
共同生活室の天井を高くして蓄煙空間とすることは、火災の際に避難上有効に働きます。
蓄煙空間に溜められた上方の煙をトップライトより排煙することは有効です。
正しいです。
防煙垂れ壁を増やし、防煙区画を小さくするすることで、煙の拡散を遅らせることができるため、避難上有効に働きます。
誤りです。
垂直避難のみでは身体的に負担がかかる患者などもいるため、病院では垂直避難だけでなく同じフロアで水平避難できるよう防火区画することが望ましいです。また手術室やICUなどは籠城区画とすることなども防火計画として望ましいです。
正しいです。
待避スペースの確保のために、屋内避難階段に隣接した位置に付室を設けることは避難上有効に働きます。
各施設の利用者の観点から、防災・避難をイメージすることで理解し、覚えやすくなります。
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03
高齢者福祉施設、病院及び保育所の火災対策に関する問題です。
→正しいです。
居室の天井を高くし、トップライトを排煙口として利用することは、室上部の空間を畜煙スペースとして利用し、煙の降下時間を遅らせながら、室上部に溜まった煙を直接排出する計画となるため、火災対策の観点から有効な手段です。
→正しいです。
煙は天井まで昇ってから順次広がっていくため、防煙垂れ壁を増やし、防煙区画を小さくする計画とすることは、煙の拡散を遅らせるために有効となります。
→誤りです。
避難する際に避難階段を降りることが難しい患者にとっては、水平に移動し一時的に安全を確保できる計画が有効となります。したがって、竪穴区画だけではなく、水平区画(面積区画)も計画する必要があります。
→正しいです。
3階に保育室のある保育所においては、幼児数人ごとに保育士等が引率して避難することを想定し、屋内避難階段に隣接した位置に付室を設け、待避スペースとします。
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