一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問1
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
環境工学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 日照図表は、周辺の建築物によって対象点への直射日光が遮られるかどうかを検討するものであり、緯度ごと、また、冬至の日などの季日ごとに描かれる。
- 外皮平均熱貫流率(UA値)は、断熱性能を示す指数で、建築物の内部から屋根や壁、床、開口部等を通過して外部へ逃げる「単位温度差当たりの外皮総熱損失量」を「外皮総面積」で除した値である。
- ブーミング現象は、低い周波数領域になるほど、また、室の寸法が小さいほど、固有周波数密度が疎になるので起こりやすい。
- 空気寿命が一定の条件では、空気齢が小さいほど、室内のある点で発生した汚染質が排気口に至るまでの時間は短くなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、日照・音響・換気に関連する複合問題です。
過去の出題頻度が多い設問が複数あるため、確実に回答できるように復習しましょう。
正しいです。
日照図表とは、周辺の建築物によって、対象場所への日照が遮られる時間帯等を検討するため、緯度ごとに冬至など、特定の日について作成されたものです。
正しいです。
外皮平均熱貫流率とは、外壁・床・天井・屋根・窓・ドアなど、単位温度差当たりの外皮総熱損失量の合計を、外皮表面積で除した値のことです。
正しいです。
ブーミング現象とは、特定の周波数がよく響き、音がこもる現象のことです。
低い周波数領域や狭い室等で、起こりやすい現象です。
誤りです。
空気齢とは、建物内に入った空気が、汚染質の発生地点まで到達するのに要する平均時間のことです。
よって、空気齢が小さいほど、汚染質の発生地点から排気口まで到達するのに要する時間は、長くなります。
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02
この問題は建物の環境に関する問題で。
正しいです。
設問のとおり日照図表は、周辺の建築物によって対象点への直射日光が遮られるかどうかを検討するために多数の日差し曲線を1枚の図としてまとめたものです。緯度ごとや冬至の日などの季日ごとに描かれます。
正しいです。
外皮平均熱貫流率(UA値)= 単位温度差当たりの外皮総熱損失量 / 外皮総面積
正しいです。
ブーミング現象とは低音域でブーンと音が発生する現象のことをいいます。
低い周波数領域になるほど、また、室の寸法が小さいほど、固有周波数密度が疎になるので起こりやすくなります。
誤りです。
空気齢とは、1つの室に1つずつ吹出口と排気口がある場合に、空気が吹出口から室内のある地点に至るまで到達する時間をいいます。
また室内のある地点から排気口に至るまで到達する時間を余命といいます。
そして空気寿命とは吹出口から排気口に至るまでの時間をいいます。
設問では、空気寿命は一定とありますので、空気齢が小さくなれば余命は大きく(時間は長く)なります。
空気寿命=空気齢+余命
この問題は、幅広い環境・設備の知識を問われています。用語の意味だけでなく、イメージをもって理解するようにしてください。
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03
環境工学に関する問題です。
→正しいです。
日照図表は、冬至など特定の日の水平面日差し曲線で得られる多数の日差し曲線を1枚の図としてまとめたものです。
これを用いて周辺の建築物によって対象点への直射日光が遮られるかどうかを検討します。
→正しいです。
外皮平均熱貫流率(UA値)は、断熱性能を示す指数で、建築物の内部から屋根や壁、床、開口部等を通過して外部へ逃げる「単位温度差当たりの外皮総熱損失量」を「外皮総面積」で除した値です。
→正しいです。
設問文のとおりです。
→誤りです。
空気齢は、室内の各地点における空気の新鮮度を示すものであり、その地点までの新鮮外気の平均到達時間を表したものです。
空気齢が小さいほど、空気余命が大きくなり、室内のある点で発生した汚染質が排気口に至るまでの時間は長くなります。
なお、空気余命とは、室内のある点の空気が排気口に至るまでの平均時間のことです。空気余命が小さいほど発生した汚染質が室内に拡散しにくく、速やかに排出できることを意味します。
また、空気齢 + 空気余命のことを空気寿命といいます。
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