一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問2
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問題
一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
冬期における結露に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 外壁の室内側の表面結露を防止するため、外壁断熱を強化することにより室内側の壁面温度を上昇させた。
- 外壁の室内側の表面結露を防止するため、暖房設備を開放型燃焼器具の代わりに密閉型燃焼器具とした。
- 外壁の内部結露を防止するため、断熱材の室内側に防湿層を設けた。
- 外壁に接する押入れ内に生じる表面結露を防止するため、押入れの襖(ふすま)の断熱性を高くした。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は断熱と結露に関する問題です。
結露が起きるメカニズムをしっかり理解することが、ポイントとなります。
正しいです。
表面結露防止の方法として、外壁断熱を強化し、室内側の壁面温度を上昇させることは、有効です。
正しいです。
表面結露防止の方法として、開放型燃焼器具の代わりに密閉型燃焼器具を使用し、水蒸気の発生源となるものを控えることは、有効です。
正しいです。
内部結露防止の方法として、断熱材の室内側に防湿層を設け、外壁内への湿気の流入を防止することは、有効です。
誤りです。
押入れの襖の断熱性を高くしても、押入内の熱損失量や湿気の流入量は変わらないため、表面結露防止の方法としては、不適当です。
押入れは湿気が溜まりやすいため、換気をしっかりする等、湿気を溜め込まないようにする対策が有効です。
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02
冬期における結露に関する問題です。
→正しいです。
壁体等の表面温度が表面近傍空気に含まれる水蒸気量から求まる露点温度よりも低くなると、壁体等の表面結露が生じます。
外壁断熱を強化し、室内側の壁面温度を上昇させることは、室内側の表面結露防止に有効です。
→正しいです。
密閉型燃焼器具は、燃焼に必要な空気を屋外から取り入れ、燃焼排ガスも屋外に放出するため、室内空気の汚染が少なくなります。
開放型燃焼器具は、燃焼に必要な空気を室内で確保し、燃焼排ガスを室内に放出するため、大量の水蒸気と二酸化炭素等が室内に発生します。
水蒸気の量を抑制するためには、密閉型燃焼器具の方が望ましいとされています。
→正しいです。
断熱材の室内側に防湿層を設けることにより、外壁の内部結露の防止となります。
→誤りです。
外壁に面する押入れの襖の断熱性を高めると、冷えた外壁により押入れの中の空気がより冷やされ、押入れ内部の結露は生じやすくなります。
外壁に接する押入れ内部の結露防止としては、押入れ内部の換気をよくするなどが挙げられます。
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03
この問題は、結露や結露対策に関する問題です。
正しいです。
結露を防止するには、壁や天井などの室内側の表面温度を露点以下に下げないようにする必要があります。外壁断熱を強化することにより室内側の壁面温度を上昇させることは、室内側の表面結露を防止するのに有効です。
正しいです。
開放型燃焼器具は、燃焼ガスを室内に放出するため、給・排気を設けて換気することが必要な器具です。
密閉型燃焼器具は、直接外気と給・排気します。燃焼ガスを屋外に排出するため、燃焼による室内の換気は不要です。
また暖房器具の燃焼ガスには大量の水蒸気が含まれるため、燃焼ガスを直接屋外へ排出する密閉型燃焼器具とすることは室内側の表面結露を防止するのに有効です。
正しいです。
内部結露とは、高温・高湿度の空気が壁体の内部で結露することをいいます。内部結露を防止するには、断熱材の壁体の高温・高湿度側すなわち室内側に、透湿抵抗の大きい防湿層を設けることが有効です。
誤りです。
押入れ内の表面結露を防止するには、押入れと室内との温度差を小さくすることが有効です。
押入れの冷たい空気と室内の暖かい空気の温度差を小さくするため、襖を開けるなど適度に換気することが有効です。
結露が生じるメカニズムや対策方法を理解するようにしておきましょう。
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