一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問4

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 開口部(窓ガラス+ブラインド等)の日射遮蔽係数は、その値が大きいほど日射遮蔽効果が大きくなる。
  • 窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表される。
  • 壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計である。
  • 外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は熱の伝導・伝達に関する問題です。

熱が伝わる現象をイメージすることが、問題を解くポイントなります。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド等)の日射遮蔽係数は、その値が大きいほど日射遮蔽効果が大きくなる。

誤りです。

日射遮蔽係数とは、「厚さ3mmの透明ガラスの日射熱取得率」に対する、「日射遮蔽物の日射熱取得率」の割合です。

その値が小さいほど、日射遮蔽効果が大きくなります。

選択肢2. 窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表される。

正しいです。

日射熱取得率とは、「入射した日射量」に対する、「透過した日射量と吸収したあとに室内側へ放出された熱量との和」の割合です。

選択肢3. 壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計である。

正しいです。

総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計です。

選択肢4. 外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなる。

正しいです。

対流熱伝達率は、風速の影響が大きいです。風速が大きいほど、対流熱伝達率は大きくなります。

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02

建築物の伝熱に関する問題です。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド等)の日射遮蔽係数は、その値が大きいほど日射遮蔽効果が大きくなる。

→誤りです。

日射遮蔽係数は、「日射を遮蔽しない」係数と読み替えると良いです。

その値が小さいほど日射遮蔽効果が大きくなります。

選択肢2. 窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表される。

→正しいです。

窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表されます。

選択肢3. 壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計である。

→正しいです。

壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計です。

選択肢4. 外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなる。

→正しいです。

外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなります。

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03

この問題は伝熱に関する問題です。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド等)の日射遮蔽係数は、その値が大きいほど日射遮蔽効果が大きくなる。

不適当です。

日射遮蔽係数は、日射を遮蔽できないほど大きくなる係数です。

よって、その値が大きいほど日射遮蔽効果は小さくなります。

選択肢2. 窓ガラスの日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量とガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との和」の比率で表される。

適当です。

日射の侵入率を表す日射熱取得率は、「ガラスに入射した日射量」に対する「ガラスを透過した日射量ガラスが吸収した後に室内側に放出された熱量との」の比率で表されます。

選択肢3. 壁体の総合熱伝達率は、「対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」の合計である。

適当です。

熱伝達率とは、材料の表面周囲の空気との間の熱の伝わりやすさを示したものです。

伝熱計算を行う際に用いる壁体の総合熱伝達率とは、対流熱伝達率」と「放射熱伝達率」を合計したものとなります。

選択肢4. 外壁表面の対流熱伝達率は、外部風速が大きいほど大きくなる。

適当です。

外部風速が大きくなるほど熱移動が促進されるため、外壁表面の熱伝達抵抗は小さくなる、すなわち熱伝達率は大きくなります。

まとめ

用語の意味に加え、伝熱のメカニズムも正しく理解しておくことが重要です。

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