一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問10

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 厚さ6mmの単板ガラスは、厚さ3mmの単板ガラスに比べて全周波数帯域にわたって遮音性能が高いとは限らない。
  • 複層ガラス(厚さ3mmの単板ガラス2枚と乾燥空気を封入した6mmの中空層からなる。)は、その面密度の合計と同じ面密度をもつ単板ガラス(厚さ6mm)に比べて、一般に、500Hz付近の中音域の遮音性能は低下する。
  • 建築物の床衝撃音遮断性能に関する等級において、Lr−40はLr−55に比べて、床衝撃音の遮断性能が低い。
  • 建築物及び建築部材の空気音遮断性能に関する等級において、Dr−50はDr−35に比べて、空気音の遮断性能が高い。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、音に関する問題です。

Lr値、Dr値の違いはしっかり覚えて、解答できるようにしましょう。

選択肢1. 厚さ6mmの単板ガラスは、厚さ3mmの単板ガラスに比べて全周波数帯域にわたって遮音性能が高いとは限らない。

正しいです。

単板ガラスは板厚を増すほど、遮音性能が向上しますが、コインシデンス効果により、3mm厚の単板ガラスで4000Hzの周波数域に、6mm厚の単板ガラスで2000Hzの周波数域に、透過損失の低下が生じます。よって、必ずしも6mm厚の単板ガラスは、3mm厚の単板ガラスよりも遮音性能が高いとは限りません。

選択肢2. 複層ガラス(厚さ3mmの単板ガラス2枚と乾燥空気を封入した6mmの中空層からなる。)は、その面密度の合計と同じ面密度をもつ単板ガラス(厚さ6mm)に比べて、一般に、500Hz付近の中音域の遮音性能は低下する。

正しいです。

中空層のある二重壁では、二重壁が振動しやすい周波数(共鳴透過周波数)ができ、その周波数域で透過損失が小さくなります。

複層ガラスは、250Hz~500Hzの中音域が共鳴透過周波数となり、その周波数域で透過損失が小さくなります。

選択肢3. 建築物の床衝撃音遮断性能に関する等級において、Lr−40はLr−55に比べて、床衝撃音の遮断性能が低い。

誤りです。

床衝撃音の遮音性能は、床に標準の衝撃力を与えたときの直下階の音圧レベルを測定し、Lr値にて遮音性能を表します。

Lr値は、値が小さいほど、床の遮音性能が高いことを示します。

選択肢4. 建築物及び建築部材の空気音遮断性能に関する等級において、Dr−50はDr−35に比べて、空気音の遮断性能が高い。

正しいです。

空気音の遮断性能は、2室間の音圧レベル差を測定し、Dr値にて遮断性能を表します。

Dr値は、値が大きいほど、空気音の遮断性能が高いことを示します。

参考になった数22

02

この問題は、音に関する問題です。
 

選択肢1. 厚さ6mmの単板ガラスは、厚さ3mmの単板ガラスに比べて全周波数帯域にわたって遮音性能が高いとは限らない。

正解です。

単板ガラスはコインシデンス効果によって、高周波数域で透過損失が低くなります。

選択肢2. 複層ガラス(厚さ3mmの単板ガラス2枚と乾燥空気を封入した6mmの中空層からなる。)は、その面密度の合計と同じ面密度をもつ単板ガラス(厚さ6mm)に比べて、一般に、500Hz付近の中音域の遮音性能は低下する。

正解です。

暑さ3mmのガラスは2枚の中間に厚さ6mmの中空層を設けた複層ガラスは、500Hz付近の中音域で共鳴透過減少によって、透過損失が低下します。その為、厚さ6mmの単板ガラスよりも遮音性能が低くなります。

選択肢3. 建築物の床衝撃音遮断性能に関する等級において、Lr−40はLr−55に比べて、床衝撃音の遮断性能が低い。

誤りです。

Lrは数値が小さいほうが、遮音性能が高いです。

選択肢4. 建築物及び建築部材の空気音遮断性能に関する等級において、Dr−50はDr−35に比べて、空気音の遮断性能が高い。

正解です。

Drは数値が大きい方が、遮断性能が高いです。

 

まとめ

Lrは「リトル(小さい)」のL、Drは「でかい」のDと覚えると良いです。

参考になった数6