一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問12

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 水蓄熱式空調システムは、熱源機器の容量を小さくできるとともに、電力需要の平準化を図ることができる。
  • 送風機のエネルギー消費量は、同じ風量であれば、接続する長方形ダクトのアスペクト比(ダクト断面の短辺に対する長辺の比)を小さくするほど大きくなる。
  • 変風量単一ダクト方式は、VAVユニットを部屋ごと又はゾーンごとに設けることによって、個別の温度制御を行うことができる。
  • 空調機に再熱コイルを設置する場合は、冷房時の部分負荷時において、設定室温での室内の湿度上昇を防ぐことはできるが、エネルギー消費量は多くなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、空気調和設備に関する問題です。

見慣れない問題も多く出題される分野ですので、過去の出題頻度が多い設問は、必ず解答できるように学習しましょう。

選択肢1. 水蓄熱式空調システムは、熱源機器の容量を小さくできるとともに、電力需要の平準化を図ることができる。

正しいです。

水蓄熱式空調システムは、熱源機器を小さく抑えることが可能であると共に、夜間電力により運転させるため、電力需要の平準化も可能となります。

選択肢2. 送風機のエネルギー消費量は、同じ風量であれば、接続する長方形ダクトのアスペクト比(ダクト断面の短辺に対する長辺の比)を小さくするほど大きくなる。

誤りです。

送風機のエネルギー消費量は、ダクトの長方形アスペクト比を小さくするほど摩擦抵抗が減少するため、小さくなります。

選択肢3. 変風量単一ダクト方式は、VAVユニットを部屋ごと又はゾーンごとに設けることによって、個別の温度制御を行うことができる。

正しいです。

変風量(VAV)単一ダクト方式とは、冷暖房負荷に応じて、吹き出す風量を変えることにより、室温を調整する方式です。

部屋ごと、ゾーンごとに配置することにより、個別の温度制御、ゾーンの温度制御が可能となります。

選択肢4. 空調機に再熱コイルを設置する場合は、冷房時の部分負荷時において、設定室温での室内の湿度上昇を防ぐことはできるが、エネルギー消費量は多くなる。

正しいです。

再熱コイルは、室温が下がった際に再熱コイルにて加温すると、湿度を上げずに室温を上げることが可能です。しかし、エネルギー消費量は多くなります。

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02

この問いは、空気調和設備に関する問題です。

選択肢1. 水蓄熱式空調システムは、熱源機器の容量を小さくできるとともに、電力需要の平準化を図ることができる。

正しいです。

水蓄熱式空調システムは、負荷の小さい夜間に熱源装置を定格運転して蓄熱槽に熱を蓄え、昼間の負荷のピーク時にそれを取り出して利用するものです。これにより、電力需要や負荷の平準化が可能となり、従来は負荷のピークに合わせて選定していた熱源装置の容量を小さくすることができます。

選択肢2. 送風機のエネルギー消費量は、同じ風量であれば、接続する長方形ダクトのアスペクト比(ダクト断面の短辺に対する長辺の比)を小さくするほど大きくなる。

誤りです。

長方形ダクトは、同じ風量であれば断面形状が正方形に近いほど、摩擦抵抗による圧力損失が少なく送風エネルギー消費量を削減することができます。長方形ダクト断面の長辺/短辺をアスペクト比と呼び、その値が1に近いほど摩擦抵抗が少なく、空気の搬送効率が高くなり、一般に4以下が望ましいです。

選択肢3. 変風量単一ダクト方式は、VAVユニットを部屋ごと又はゾーンごとに設けることによって、個別の温度制御を行うことができる。

正しいです。

VAV方式(変風量単一ダクト方式)は、空調機を用いて空調する際に、部屋ごと・ゾーンごとにVAVユニットを設置することで、冷暖房負荷に合わせて送風量を調整して室温を制御する方式で、VAVユニットごとの個別の温度制御が可能です。

選択肢4. 空調機に再熱コイルを設置する場合は、冷房時の部分負荷時において、設定室温での室内の湿度上昇を防ぐことはできるが、エネルギー消費量は多くなる。

正しいです。

冷房時の部分負荷時において、室内の湿度上昇を防ぐために空調機にて冷却し、空気中の水蒸気を結露させ除湿したとき、室内への給気温度が低くならないように、再熱コイルを設置して加熱する必要がありますが、エネルギー消費量は増加します。

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