一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(環境・設備) 問17

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(環境・設備) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • インバータ機器から発生する高調波電流を抑制するために、アクティブフィルタを設置した。
  • 幹線設備における地絡電流による感電、火災、設備の破損等を防止するために、過電流遮断器を設置した。
  • 伝送系の信号線が電源関係ケーブルからの静電誘導によるノイズの影響を受けないようにするために、その信号線には、シールドケーブルを使用した。
  • 外部雷保護システム(受雷部、引下げ導線及び接地極システム)及び建築物等の導電性部材に流れる雷電流による危険な火花放電の発生を防止するために、内部雷保護システムを構築した。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、電気設備に関する問題です。

見慣れない設問が多く、難易度は高めです。しっかり復習しておきましょう。

選択肢1. インバータ機器から発生する高調波電流を抑制するために、アクティブフィルタを設置した。

正しいです。

アクティブフィルタとは、高調波電流に対して逆位相の電流を流すことで、高調波電流を抑制するための「能動フィルタ」のことです。

選択肢2. 幹線設備における地絡電流による感電、火災、設備の破損等を防止するために、過電流遮断器を設置した。

誤りです。

地絡電流による感電、火災、設備の破損等を防止するためには、漏電遮断器を設置する必要があります。

選択肢3. 伝送系の信号線が電源関係ケーブルからの静電誘導によるノイズの影響を受けないようにするために、その信号線には、シールドケーブルを使用した。

正しいです。

シールドケーブルとは、金属製の導線を用いる電気通信ケーブルのうち、芯線とシースの間にもう1層の導体があるケーブルのことです。この導体の層には、ノイズを遮断する効果があります。

選択肢4. 外部雷保護システム(受雷部、引下げ導線及び接地極システム)及び建築物等の導電性部材に流れる雷電流による危険な火花放電の発生を防止するために、内部雷保護システムを構築した。

正しいです。

内部雷保護システムとは、建物に落雷があった際に、外部雷保護システムや、建築物の導電性部材に流れる電流による危険な火花放電を、発生させないようにするために設置する雷保護システムのことです。

参考になった数19

02

この問いは、電気設備に関する問題です。

選択肢1. インバータ機器から発生する高調波電流を抑制するために、アクティブフィルタを設置した。

正解です。

高調波とは、基本周波数の整数倍の周波数を持つ正弦波であり、インバータ制御機器などから発生します。これにより電気設備に悪影響を及ぼすことがあります。高調波と逆位相の高調波を発生させて相殺し、高調波の影響を抑制するアクティブフィルタを設置することが有効です。

選択肢2. 幹線設備における地絡電流による感電、火災、設備の破損等を防止するために、過電流遮断器を設置した。

誤りです。

幹線設備に漏電が生じた場合、電線や電気機器を保護するために地絡遮断器が使用されます。過電流遮断器は、過負荷電流や短絡電流から電線を保護するために設置されるもので、配線用遮断器やヒューズなどが含まれます。

選択肢3. 伝送系の信号線が電源関係ケーブルからの静電誘導によるノイズの影響を受けないようにするために、その信号線には、シールドケーブルを使用した。

正解です。

信号線が長い場合や電源ケーブルが平行している場合、静電誘導によるノイズが発生しやすく、アナログ入力信号に影響を与えます。ノイズ対策としてシールドケーブルを使用し、そのシールドを一点接地することで影響を減らすことができます。

選択肢4. 外部雷保護システム(受雷部、引下げ導線及び接地極システム)及び建築物等の導電性部材に流れる雷電流による危険な火花放電の発生を防止するために、内部雷保護システムを構築した。

正解です。

大きな雷電流が建物内の導電性部材に電位差を生じさせ、火花放電が発生し火災や人命の危険が生じる可能性があります。これを防ぐために内部雷保護システムを構築することが重要です。

参考になった数3