一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科4(構造) 問16

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科4(構造) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 柱の限界細長比は、基準強度Fが大きいほど小さくなる。
  • 振動障害の検討に用いる、床の鉛直方向の固有振動数は、梁の水平軸まわりの断面二次モーメントを小さくするほど高くなる。
  • 圧縮材の許容圧縮応力度は、鋼材及び部材の座屈長さが同じ場合、座屈軸まわりの断面二次半径が小さいほど小さくなる。
  • 弱軸まわりに曲げを受けるH形鋼の許容曲げ応力度は、幅厚比の制限に従う場合、許容引張応力度と同じ値とすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、鉄骨造の設計に関する問題です。

鋼材の特徴や座屈の原理を理解することがポイントとなります。

選択肢1. 柱の限界細長比は、基準強度Fが大きいほど小さくなる。

正しいです。

限界細長比は、基準強度Fに反比例します。

よって、基準強度Fが大きくなるほど、限界細長比は小さくなります。

選択肢2. 振動障害の検討に用いる、床の鉛直方向の固有振動数は、梁の水平軸まわりの断面二次モーメントを小さくするほど高くなる。

誤りです。

床の鉛直剛性が大きいと、固有振動数が高くなり、固有周期が短くなります。

断面二次モーメントを小さくすると、鉛直剛性が小さくなり、固有振動数は低くなります。

選択肢3. 圧縮材の許容圧縮応力度は、鋼材及び部材の座屈長さが同じ場合、座屈軸まわりの断面二次半径が小さいほど小さくなる。

正しいです。

圧縮材の許容圧縮応力度は、有効細長比が大きくなるほど、許容応力度は小さくなります。

有効細長比は、断面二次半径に反比例することにより、断面二次半径が小さいほど、許容圧縮応力度は小さくなります。

選択肢4. 弱軸まわりに曲げを受けるH形鋼の許容曲げ応力度は、幅厚比の制限に従う場合、許容引張応力度と同じ値とすることができる。

正しいです。

弱軸まわりに曲げを受けるH型鋼は、横座屈のおそれがないため、許容曲げ応力度を許容引張応力度と同じ値とすることができます。

参考になった数12

02

鉄骨造の設計に関する問題です。

選択肢1. 柱の限界細長比は、基準強度Fが大きいほど小さくなる。

正しいです。

限界細長比は、基準強度Fに反比例します。

よって、基準強度Fが大きくなるほど、限界細長比は小さくなります。

選択肢2. 振動障害の検討に用いる、床の鉛直方向の固有振動数は、梁の水平軸まわりの断面二次モーメントを小さくするほど高くなる。

誤りです。

床の鉛直剛性が大きくなると、固有周期が短くなり、固有振動数が高くなります。

断面二次モーメントを小さくすると、鉛直剛性は小さくなり、固有振動数は低くなります。

選択肢3. 圧縮材の許容圧縮応力度は、鋼材及び部材の座屈長さが同じ場合、座屈軸まわりの断面二次半径が小さいほど小さくなる。

正しいです。

有効細長比は、断面二次半径に反比例します。

また、有効細長比が大きくなると、圧縮材の許容圧縮応力度は小さくなります。

よって、断面二次半径が小さくなると、許容圧縮応力度は小さくなります。

選択肢4. 弱軸まわりに曲げを受けるH形鋼の許容曲げ応力度は、幅厚比の制限に従う場合、許容引張応力度と同じ値とすることができる。

正しいです。

弱軸まわりに曲げを受けるH型鋼は、鋼管や箱型断面同様に横座屈のおそれがないため、許容曲げ応力度を許容引張応力度と同じ値とすることができます。

まとめ

鋼材の特徴や座屈の原理を理解しましょう。

参考になった数5

03

鉄骨造の設計に関する問題です。

選択肢1. 柱の限界細長比は、基準強度Fが大きいほど小さくなる。

正しいです。

柱の限界細長比は基準強度Fに反比例しますので、基準強度Fが大きいほど、限界細長比は小さくなります。

選択肢2. 振動障害の検討に用いる、床の鉛直方向の固有振動数は、梁の水平軸まわりの断面二次モーメントを小さくするほど高くなる。

誤りです。

床の鉛直剛性が大きくなると、固有振動数が高くなります。

断面二次モーメントを小さくすると、鉛直剛性は小さくなり、固有振動数は低くなります。

選択肢3. 圧縮材の許容圧縮応力度は、鋼材及び部材の座屈長さが同じ場合、座屈軸まわりの断面二次半径が小さいほど小さくなる。

正しいです。

圧縮材の許容圧縮応力度は、有効細長比が大きくなるほど小さくなります。

有効細長比は、断面二次半径に反比例します。

よって、断面二次半径が小さいほど許容圧縮応力度は小さくなります。

選択肢4. 弱軸まわりに曲げを受けるH形鋼の許容曲げ応力度は、幅厚比の制限に従う場合、許容引張応力度と同じ値とすることができる。

正しいです。

弱軸まわりに曲げを受けるH型鋼は、鋼管や箱型断面同様に横座屈のおそれがありません。

よって、許容曲げ応力度を許容引張応力度と同じ値とすることができます。

参考になった数5