一級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科4(構造) 問26

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問題

一級建築士試験 令和4年(2022年) 学科4(構造) 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄骨造の多層骨組の建築物において、床を鉄筋コンクリートスラブとした場合には、一般に、各骨組に水平力を伝達するために、床スラブとこれを支持する鉄骨梁をシアコネクター等で緊結する必要がある。
  • 細長い連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がりを抑える効果がある。
  • 平面的に構造種別が異なる建築物は、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して個々に設計することが原則であるが、力の伝達等を十分に考慮し、一体として設計することもできる。
  • 構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど大きくすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、建築構造計画に関する問題です。

エキスパンションジョイントや構造特性係数の特徴をしっかり理解しておくことが、この問題を解くポイントです。

選択肢1. 鉄骨造の多層骨組の建築物において、床を鉄筋コンクリートスラブとした場合には、一般に、各骨組に水平力を伝達するために、床スラブとこれを支持する鉄骨梁をシアコネクター等で緊結する必要がある。

正しいです。

鉄骨梁とコンクリートスラブを頭つきスタッドなどのシアコネクター等で緊結することにより、せん断力を伝達できるようにすることが必要です。

また、鉄骨梁とコンクリートスラブを一体の梁として設計したものを合成梁といい、これにより、スラブの一部が圧縮応力度を受け持つ梁の上フランジとして有効となります。

選択肢2. 細長い連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がりを抑える効果がある。

正しいです。

連層耐力壁に接続する境界梁は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がり抑える効果があります。

選択肢3. 平面的に構造種別が異なる建築物は、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して個々に設計することが原則であるが、力の伝達等を十分に考慮し、一体として設計することもできる。

正しいです。

構造種別が異なる建築物は、原則として構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して設計します。

しかし、力の伝達を十分に考慮する場合は、一体として設計することもできます。

選択肢4. 構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど大きくすることができる。

誤りです。

構造特性係数Dsは、靭性に富むほど、小さくできます。

構造特性係数Dsとは各階の構造特性(建物の壊れ方)を数値化したもので、構造特性係数が小さいほど、必要保有水平耐力を小さく見積もれるため有利となります。

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02

この問題は、建築構造計画に関する問題です。

エキスパンションジョイントや構造特性係数の特徴をしっかり理解しておきましょう。

選択肢1. 鉄骨造の多層骨組の建築物において、床を鉄筋コンクリートスラブとした場合には、一般に、各骨組に水平力を伝達するために、床スラブとこれを支持する鉄骨梁をシアコネクター等で緊結する必要がある。

正しいです。

鉄骨梁とコンクリートスラブを頭つきスタッドなどのシアコネクターにて緊結することでせん断力を伝達できるようにすることが必要です。これにより、スラブの一部が、圧縮応力度を受け持つ梁の上フランジとして、有効となります。

選択肢2. 細長い連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がりを抑える効果がある。

正しいです。

連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がり抑える効果があります。

選択肢3. 平面的に構造種別が異なる建築物は、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して個々に設計することが原則であるが、力の伝達等を十分に考慮し、一体として設計することもできる。

正しいです。

構造種別が異なる建築物は、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して設計しますが、力の伝達を十分に考慮する場合は、一体として設計することもできます。

選択肢4. 構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど大きくすることができる。

誤りです。

構造特性係数Dsは、靭性に富むほど、小さくできます。

構造特性係数が小さいほど、必要保有水平耐力を小さく見積もれるため、有利となります。

参考になった数4

03

建築構造計画に関する問題です。

選択肢1. 鉄骨造の多層骨組の建築物において、床を鉄筋コンクリートスラブとした場合には、一般に、各骨組に水平力を伝達するために、床スラブとこれを支持する鉄骨梁をシアコネクター等で緊結する必要がある。

正しいです。

多層骨組の鉄骨造の場合、コンクリートスラブとこれを支持する鉄骨梁をシアコネクターにて緊結することでせん断力を伝達できるようにすることが必要です。

このようにすることで、圧縮応力度を受け持つ梁の上フランジとして、スラブの一部が有効になります。

選択肢2. 細長い連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がりを抑える効果がある。

正しいです。

連層耐力壁に接続する梁(境界梁)は、耐力壁の回転による基礎の浮き上がり抑える効果があります。

選択肢3. 平面的に構造種別が異なる建築物は、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して個々に設計することが原則であるが、力の伝達等を十分に考慮し、一体として設計することもできる。

正しいです。

構造種別が異なる建築物は、原則、構造種別ごとにエキスパンションジョイントにより分離して個々に設計しますが、力の伝達などを十分に考慮する場合は、一体として設計することもできます。


 

選択肢4. 構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど大きくすることができる。

誤りです。

構造特性係数Dsは、靭性に富むほど小さくできます。

構造特性係数Dsが小さいほど、必要保有水平耐力が小さくなるため、構造上有利となります。

まとめ

エキスパンションジョイントや構造特性係数の特徴を学習しましょう。

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