2級土木施工管理技術の過去問
平成29年度(前期)
薬液注入 問90
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 平成29年度(前期) 薬液注入 問90 (訂正依頼・報告はこちら)
土留め壁を用いて掘削を行う場合の掘削底面の安定に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- ヒービングとは、軟らかい粘性土地盤を掘削する場合に、掘削底面下の土の強度不足から掘削底面が隆起し、土留め壁の背面地盤で大きな地表面沈下が生じる現象をいう。
- 盤ぶくれ対策としては、ディープウェル工法を用いて被圧水頭を低下させる方法、掘削側の土かぶり荷重を減少させる方法がある。
- ヒービングの防止策としては、土留め壁の根入れ長と剛性を増す方法、土の非排水せん断強さを増す方法、土留め壁の背面地盤を盤下げして、ヒービング起動力を減少させる方法などがある。
- 盤ぶくれとは、粘性土などの難透水性地盤の下に被圧帯水層がある地盤を掘削する場合に、被圧地下水によって掘削底面が膨れ上がる現象をいう。
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この過去問の解説 (3件)
01
ヒービングとは、軟弱な粘性土の地盤で土止め工を行い掘削する場合、土止め壁の背面の土の重さで土内部にすべり面が発生し、土が土中の土止め壁の下端部を超えて掘削底面が隆起、土止め壁背面の土が沈下、土止め壁自体が傾くなどの現象で、大事故へと繋がる危険があります。
2)適当ではありません。
盤ぶくれとは、掘削底面が地下水圧により上部に押し上げられ膨らむ現象です。
対策としては、止水性のある土止め壁(鋼矢板、ソイルセメント柱列壁など)を採用し、地下水層より下の不透水層までの根入れが推奨されます。
ディープウェル工法での吸水は周辺の水位も低下させなければならず、掘削側の土かぶり荷重を減少させても地下水圧が弱まることはありません。
3)適当です。
ヒービングの防止策として、土止め壁の根入れを長く(深く挿入)することで土中のすべり面による土の流れをせき止めます。
また、薬液を注入することにより地盤の間隙の空気や水分を薬液に置き換え、土粒子と結合させて粘性を増加させることができます。
4)適当です。
盤ぶくれとは、粘土性の土質での掘削した場合に、掘削によりそれまで土の重量で抑えられていた土中の地下水の圧力が上昇し、水分が掘削面に浸透せず掘削面そのものを押し上げ、その結果掘削面が丸く膨れたような状態になることです。
土止め壁を支える支保工が崩れ、作業員が挟まれるなどの大事故に繋がる恐れがあるので早急に対処が必要です。
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02
ヒービングは、水の上向きの浸透力により砂がせん断強さを失って吹き上がり、掘削底面が破壊する現象です。
2〇
地下水低下工法による盤ぶくれ防止は効果はありますが、盤ぶくれ現象は不透水性地盤が持ち上げられる現象です。ディープウェル工法は井戸に集まる地下水を揚水する重力排水工法なので、透水性の大きい地盤に用いられるので効果と工法が適していません。
3×
ヒービングは掘削底面の強度不足により、山留壁が変形する現象なので、掘削底面の強度を増加させる土壌改良工法も有効です。
4×
盤ぶくれには、地下水位低下工法・薬液注入による遮水層の構築・地盤改良が有効です。
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03
上記の通りです。ヒービング現象とは矢板等の土留材の背面土が沈下し、掘削側の地盤が持ち上がる現象です。
2)正解です。
掘削側の土かぶりを少なくすると、土留め材の倒壊の危険性があがるので適さないです。ディープウエル工法も盤ぶくれ対策には適さないです。
3)間違いです。
上記の通り、ヒービングは土留材の背面地盤を掘り下げる等の対策をします。
4)間違いです。
盤ぶくれとは、土留め材の掘削面の地盤が地下水圧とともに持ち上がる現象です。
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