2級土木施工管理技術の過去問
平成29年度(前期)
薬液注入 問91
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 平成29年度(前期) 薬液注入 問91 (訂正依頼・報告はこちら)
地下水位低下工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 地下水位低下工法を用いる場合、対象とする砂層中に連続した不透水層が無いと目的とする水位低下効果が得られないので、十分な地盤調査により不透水層の有無を確認しなければならない。
- ディープウェル工法は、井戸を掘削底面以下まで掘り下げ、重力によって地下水を集水してポンプで揚水する工法であり、透水係数が小さくなると重力の作用のみでは集水が困難となる。
- ウェルポイント工法は、強力な真空ポンプを併用し、地盤中の水を強制的に吸引して揚水する工法であり、真空を利用して排水するため、揚水可能な深さは実用上6m程度である。
- 地下水位低下工法が採用される地質は、シルト質砂から砂礫層に至る透水係数がほぼ10-1〜10-4cm/sの範囲である。
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この過去問の解説 (3件)
01
地下水位低下工法は、高水位の地下水を強制的に抜き、また土中の水体積を減少させて地盤の改良を図り、掘削をスムーズに進める作業です。
工事前の地盤調査では不透水層の有無の確認は必要ですが、有無にかかわらずそれぞれ違った地下水位低下工法が適用されるのでこの記述は間違いです。
2)適当です。
ディープウェル(深井戸)工法は、その名の通り井戸を深くまで掘削し、ウェル(井戸)内に流れてくる地下水をポンプで排出する工法です。
透水性の低い地盤や粘性土・砂質土が重なり合う地盤では透水係数が低くなり、ウェルの中に水が流れてこなくなり、集水が難しくなります。
3)適当です。
ウェルポイント工法は、地盤にウェルポイントと呼ばれるストレーナー付給水装置に給水管を取り付けたものを1~1.5m間隔で多数打ち込み、地下水を吸収する工法です。
真空ポンプを併用し、ウェルポイント内の空気を排気して生じる気圧差を利用し、理論上は10mの水位低下が可能とされますが、実質はポンプ損失などにより5~6m程度となります。
ウォータージェット工法で打設するので、砂礫地盤には工事が不可能になる場合があります。
4)適当です。
地下水位低下工法は、
・地下水位が比較的浅い地盤
・下層部に粘性土層が厚く体積していない地盤
・液状化する対象の層の透水係数が高い地盤
のような地盤に適しています。
シルト質砂から砂礫層に至る地層がある場合は、透水係数はほぼ10⁻¹〜10⁻⁴cm/sの範囲だとウェルポイント工法がより適しています。
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02
地下水低下工法には多くの種類があるため、不透水層があっても全く効果がないことはないです。
2×
ディープウェル工法は透水係数が小さい地盤では効果を発揮できないため、透水性の高い砂質土地盤で効果的です。
3×
ウェルポイント工法は、ウェルポイントという吸水管を取り付けたパイプを地盤中に打ち込み、真空ポンプを用いて強制的に排水する工法です。
4
地下水位低下工法は掘削地盤の土質状況、透水 係数、地下水位等の正確な把握が行われている場合、 確実で最も経済的な工法として多くの工事に使われています。
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03
地下水位低下工法を用いる場合、不透水層がないとこの工法は意味をなさないので、地盤の生成状態、地形、土質等を考慮し適切な工法を選定します。
2)間違いです。
上記の通り、透水係数の小さい場所ではディープウエル工法では集水が困難になります。
3)間違いです。
上記の通り、ウエルポイント工法の楊水可能深さは約6mです。
4)間違いです。
上記の通り、地下水位低下工法の採用はシルト質砂~砂礫層で透水係数は10-1乗~10-4乗です。
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