2級土木施工管理技術の過去問
平成30年度(後期)
鋼構造物塗装 問70
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 平成30年度(後期) 鋼構造物塗装 問70 (訂正依頼・報告はこちら)
防食下地に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 無機ジンクリッチペイントは、塗膜が多孔性であるため下塗り塗料を直接塗り重ねることができる。
- 無機ジンクリッチペイントは、さびや塗膜と密着するので塗替え塗装に適用される。
- 無機ジンクリッチペイントは、亜鉛とケイ酸塩とを主成分とする一液一粉末形の塗料である。
- 無機ジンクリッチペイントは、空気中の水分によって付加重合反応で硬化する。
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この過去問の解説 (3件)
01
無機ジンクリッチペイントは防錆処理を目的として下地処理に使用されるもので、塗装すると膜内に多数のボイドと呼ばれる空気穴が発生します。
この状態で通常の上塗りを施すと空気穴の中の空気が抜けて上塗り塗膜表面に多数のピンホールが発生してしまうので、次の塗装の前にミストコートを施して塗料の微粒子を空気穴に侵入させて塞ぐなどの対策が必要です。
2)適当ではありません
無機ジンクリッチペイントは施工後に多数の空気穴が発生するので下地の不純物は不適合となります。塗装前には入念に素地調整を施し、サビや旧塗膜は完全に除去するなど高度な下地除去が必要となります。
有機ジンクリッチペイントの場合は多少のさびや汚れには密着性を発揮するので有効となります。
3)適当です
無機ジンクリッチペイントは成分に亜鉛とケイ塩酸(ケイ酸ナトリウム)が含まれており、塗装後にケイ塩酸が加水分解され亜鉛と反応することによりケイ酸亜鉛を形成します。
これにより硬化が進み乾燥するので、日光の有無により仕上がりが左右される事は少なくなります。
ただしあまりにも湿度が高い環境では施工には向きません。
4)適当ではありません
無機ジンクリッチペイントは大気中の水蒸気などの水分が成分であるアルキルシリケートに吸収されて加水分解、縮合重合することにより高分子化して硬化、乾燥します。
付加重合反応は有機ジンクリッチペイントの成分であるエポキシ樹脂が硬化材と付加反応を繰り返していくものなので適当ではありません。
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02
1.→ 適当ではありません。無機ジンクリッチペイントは、塗膜が多孔質なため下塗り塗料を直接塗り重ねると発泡するので直接塗り重ねることはできません。下塗り塗料を希釈したミストコートを塗付して孔を埋めた後に下塗り塗料を塗付します。
2.→ 適当ではありません。無機ジンクリッチペイントは、さびや塗膜とは密着しないのでブラスト処理した鋼材面に塗付しなければならず、塗替え塗装には適用できません。
3.→ 適当です。無機ジンクリッチペイントは、亜鉛とケイ酸塩とを主成分とする一液一粉末形の塗料です。
4.→ 適当ではありません。無機ジンクリッチペイントは、空気中の水分によって加水分解・縮合反応で高分子化(乾燥)します。
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03
事前にミスコート下地を塗る必要があります
2×
さびや塗膜を完全に除去することができます。
3〇
無機ジンクリッチペイントには有機もあります。
4×
大気中の水分を吸収して、加水分解縮合反応により固まります。
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