2級土木施工管理技術の過去問
令和元年度(後期)
鋼構造物塗装 問68

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和元年度(後期) 鋼構造物塗装 問68 (訂正依頼・報告はこちら)

重防食塗装に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 重防食塗装は、鋼材を腐食から護る防食機能と、色彩による美観機能を保持する耐久性を有するため、防食下地、下塗り塗料、上塗り塗料のみで構成される。
  • 上塗り塗料は、耐候性のよい樹脂と顔料を選択することによって、短期間に限り光沢や色相の維持及び美観を保持し、下層塗膜を紫外線から保護する。
  • 下塗り塗料は、防食下地と良好な付着性を有し、腐食因子と腐食促進因子を浸透させて、防食下地の劣化・消耗を防ぐ。
  • 防食下地には、無機ジンクリッチペイント、有機ジンクリッチペイント、溶融亜鉛めっき、金属溶射がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1)適当ではありません

重防食塗装の構成は鋼材に防食下地を施し、その上に下塗り、中塗り、上塗り塗料で構成されます。

防食下地は鋼材の保護と上に塗付される塗料の密着性を高め、下塗り塗料は防食下地と中塗り塗料の付着性をさらに向上させます。中塗り塗料は下塗り塗料と上塗り塗料を一体化させつつ上塗り塗料の隠ぺい力を向上させ、上塗り塗料は美観と鋼材保護の役割を担います。

一般的な住宅の場合は中塗り塗料が省略される場合もありますが、鋼橋などの重防食塗装ではこの過程を省略してはいけません。

2)適当ではありません

上塗り塗料は塗膜表面の光沢や色相を保持し美観維持とともに中塗り、水や酸素が塗膜内に浸透するのを防し下塗り塗膜を保護する目的などがあります。

水や紫外線に常時さらされるために耐水性や耐候性に優れている必要があり、また美観のためにも着色顔料や緻密な被膜を形成する樹脂が用いられます。

3)適当ではありません

下塗り塗料は鋼材に最初に塗付した防食下地と塗膜との付着性を確保し、腐食因子や腐食促進因子を遮断し鋼材まで到達しないようにする目的があります。

使用する塗料は耐薬品性や耐水性に優れているエポキシ樹脂塗料やそれを変性させて密着性を向上させた変性エポキシ樹脂塗料、主剤と硬化剤から成り1度の吹き付けで厚膜に塗付が可能な超厚膜型エポキシ樹脂塗料などがあります。

4)適当です

防食下地とは下塗り塗装と鋼材との付着性を確保し、鋼材の電位を低下させて下塗り塗膜で遮断できなかった腐食性物質を遮るために施す処理です。

主に亜鉛末を主成分とする無機ジンクリッチプライマーや亜鉛末に有機系樹脂をバインダーとして使用した有機ジンクリッチペイント、融解した亜鉛浴に鋼材を浸してめっきを施す融解亜鉛めっきなどがあります。

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02

正解は4です。

重防食塗装は防食下地、下塗り塗料、「中塗り塗料」、上塗り塗料などで構成されており、
光沢や色相など美観を維持するものです。
よって1は不適切です。

上塗り塗料は、水、酸素、紫外線などに直接さらされているため、
耐水性や耐候性に優れるとともに、
酸性雨及びコンクリートのアルカリ性に耐える耐薬品性も必要です。
これは短期間に限りではないため、2は不適切です。

下塗り塗料は、水や酸素、塩化物などの腐食因子を、
防食対象物に接触させないにようにして劣化を防ぎます。
防食下地の劣化・消耗を防ぐ目的ではないため、3は不適切です。

4は適切です。
防食下地は、犠牲防食層としての役割を持っており、
また緻密層の形成やpHをアルカリに保つことが可能です。

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03


重防食塗装は防食下地、下塗り塗料、中塗り塗料、上塗り塗料などで構成されて、期間にわたって光沢や色相など美観を維持するものです。

上塗り塗料は、水、酸素、紫外線などに直接さらされているため、耐水性や耐候性に優れるとともに、酸性雨及びコンクリートのアルカリ性に耐える耐薬品性も必要です。

下塗り塗料は、腐食因子と腐食促進因子を浸透させないようにして劣化を防ぎます。
4〇
防食下地は、亜鉛腐食生成物の緻密化による腐食因子の遮断など腐食抑制効果によって鋼材の腐食を防ぎます

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