2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
鋼構造物塗装 問65

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤
溶融亜鉛めっきは、
塩分の多い環境下では”他の防食措置よりも比較的消耗が遅い”ので、飛来塩分量の多い地域や排気ガスの影響を受ける部材へは”適し”ます。
2.正
文面の通りです。
3.誤
港湾・海洋鋼構造物の海水中部の防食に用いられる圧膜被覆は”有機材料”ではなく”エポキシ樹脂系”のものが使用されます。
4.誤
環境制御による防食法とは
”腐食を停止させる物質を添加する方法”ではなく
腐食の原因物質を除去したり
腐食の発生しにくい環境を作り出すことです。

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02

鋼材の防食の選定は、各防食方法の特性を把握した上で架橋環境条件や周辺環境との調和、耐久性及び経済性、維持管理の条件やコストなど要求性能を考慮し、当該橋の要求性能に照らして所要の防食性能が得られるように計画します。

選択肢1. 溶融亜鉛めっきは、塩分の多い環境下では消耗が早いので、飛来塩分量の多い地域や排気ガスの影響を受ける部材へは適さない。

適当ではありません

溶融亜鉛めっきは、鋼材表面に形成した亜鉛皮膜が腐食原因となる酸素と水や塩化物等の腐食をする物質を環境的に遮断して、鋼材を保護する防食方法です。

塩分の多い環境下では消耗が早いので、飛来塩分量が多い地域や凍結防止剤の影響を受ける部材への適用には限界がありますが、排気ガスに対しては適さないということはありません。

選択肢2. 耐食性金属板被覆は、鋼材表面に銅及び銅合金、ニッケル及びニッケル合金などの板を取り付けて被覆する方法で、耐衝撃性や耐摩耗性に優れている。

適当です

耐食性金属被覆は、海洋環境などに耐えられ優れた耐食性を保持する金属を鋼材の表面に取り付ける防食方法で、長期にわたる耐久性が期待される方法です。

クロム、モリブデン、窒素などの耐食性元素を増量して鋼材に添加したり、鋼材にニッケルやチタンを熱間圧延法や圧着法などにより鋼材と面接合させたりすることで鋼構造物の耐食性や耐衝撃性、耐摩耗性を向上させます。

選択肢3. 厚膜被覆は、ゴムやプラスチックなどの有機材料を1mm以上の厚膜に被覆した防食法で、港湾・海洋鋼構造物の海水中部の防食に用いられる。

適当ではありません

厚膜被覆は、海洋鋼構造物を海洋大気中からの飛沫から防御したり、また干潮帯、海水中、海底土中部に設置されたものに用いられ、ゴムやプラスチックなどの有機材料を厚く被覆して長期間の耐食性を有するものです。

また近年では、海洋厚膜エポキシ樹脂系塗料や海洋エポキシ樹脂系ガラスフレーク含有塗料樹脂を使用した塗装工法もあります。

厚膜被覆の被覆厚は2~3mm程度とされていますので、この解は適当ではありません。

選択肢4. 環境制御による防食法は、腐食を促進する成分(水分や酸素及び有害成分)の除去及び腐食を停止させる物質を添加する方法である。

適当ではありません

環境制御による防食法は、鋼材表面を被覆することにより酸素や水などから鋼材を保護し、環境にさらされることを物理的に遮断する方法です。

環境制御には有機被覆と無機被覆、そして金属被覆とがあり、有機被覆は塗料による塗装や有機高分子材料によるライニング、無機被覆はホーローなどのガラス被覆やモルタル、セラミックなどを利用した被覆方法です。金属被覆は融解亜鉛めっきや金属溶射など耐食性に優れた金属を用いて被覆する方法です。

腐食を促進する成分の除去や腐食を停止させる物質を添加する方法は耐候性鋼材なので、この解は適当ではありません。

まとめ

鋼材の防食は厚さが薄すぎると被覆が割れやすくなり、被覆内部の鋼材まで腐食因子が到達してしまう恐れがあります。

耐候性鋼材は鋼材に耐食性を与える金属を添加し、鋼材そのものに耐食性を保持させるものです。

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03

正解は「2」です。

耐食性金属被覆工法とは、海洋環境で優れた耐食性を示す金属を鋼材の表面に取り付けて防食する工法であり、長期にわたり耐久性が期待されます。

1.間違いです。

溶融亜鉛めっきは、他の表面処理に比べて防錆効果が高く、

排気ガスや高温多湿などの厳しい条件下では、

鉄の寿命を大きく伸ばすことができます。

3. 間違いです。

厚膜被膜は、有機材料ではなく、

エポキシ樹脂系やポリウレタン樹脂系が使用されます。

4. 間違いです。

環境制御による防食とは、空間中の環境から主要な原因物質である

水と酸素を除去したり、軽減させたりする方法になります。

腐食を停止させる物質を添加する方法ではありません。

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