2級土木施工管理技術の過去問
令和2年度(後期)
薬液注入 問104

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和2年度(後期) 薬液注入 問104 (訂正依頼・報告はこちら)

薬液注入工事の施工計画書の作成に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 注入圧力は、注入箇所ごとに異なり、目標値を明示できないので絶対値を表示する。
  • 注入孔間隔は、改良範囲の形状は複雑であるが、できるだけ複列配置に近い配置とする。
  • 注入順序は、地盤及び近接構造物の変状、注入材の流出が生じないよう計画する。
  • 注入率は、土質試験結果や既存資料を参考に決定し、その根拠についても明確にする。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「1」です。
注入箇所および材料や状況によって違うため、
注入試験を行い目安となる目標値を確認します。

2.正しいです。
注入効果が発揮できる品質の確保を目的として、複列配置が望ましいです。

3.正しいです。
注入作業計画において、注入順序、削孔、注入速度、
ゲルタイム、ステップ長等を計画します。
注入順序では、地盤の変形を抑える必要がある箇所では、
綿密に検討する必要があります。

4.正しいです。
注入率は現場の土質状況によって変わります。
そのため、土質試験結果や既存資料を参考にすることが重要となります。

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02

1)適当ではありません

注入圧力は近接構造物や注入地盤に変状などの影響が発生しないようにします。そのため地盤の力学的性質などの条件に左右され、注入圧力の予測は難しいので絶対値は設定できません。

そのため圧力は流量圧力管理測定装置を設置し記録しながら管理し、常に異変がないかチェックしつつ状況に応じて柔軟に調整する必要があります。

2)適当です

注入孔は埋設物に対する影響を避けつつ確実な改良効果を得るため、原則として1.0mの複列配置とします。

各孔の注入範囲が重なるよう配置し、隣接する注入孔との間隔で設定するようにします。

ただし管路部では施工条件により、千鳥配置ではなく孔が並んでいる正方形配置もやむなしとされています。

3)適当です

薬液の注入順序を決定する際は、注入効果及び近接構造物などに対する影響を考慮し、また注入目的を満足しつつ地盤への流出や構造物の変状がないように計画します。

注入範囲がまとまっている場合は、注入材が地盤改良範囲の地下水を排除しやすいように範囲内の中心部から外側へ注入していきます。地下水に流れがある場合は注入材の拡散を防ぐため、地下水流の上流側から、既設構造物の近くでは近接部分から注入を開始します。

4)適当です

注入率は単位当たりの注入対象土量に対する注入材の割合です。

砂質土では、地盤の間隙率が判明している場合は間隙率に注入材料の充填率(この場合は100%)を掛け合わせて求めます。間隙率が不明な場合は二重管ストレーナー工法で35%以上、ダブルパッカー工法で40%以上とします。

粘性土地盤では割裂注入が基本となるため、間隙率で注入率を求めることが不可能なので標準的数値として30%とされています。

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03

注入行の施工計画立案は、注入速度や圧力、改良範囲や注入孔の配置などがポイントになります。薬液注入による改良の品質を確保するためにも大切なのは計画になります。

選択肢1. 注入圧力は、注入箇所ごとに異なり、目標値を明示できないので絶対値を表示する。

注入個所によって、地盤の性状などが異なるため、絶対値を定めることはできません。

注入圧力は周辺構造物や地下埋設物等に影響を与えないように、注入速度などを変化させながら管理していく必要があります。

よってこの記述は不適当になります。

選択肢2. 注入孔間隔は、改良範囲の形状は複雑であるが、できるだけ複列配置に近い配置とする。

注入孔の配列は、均等に改良がなされるように概ね1.0m間隔で複列配置となるようにします。

よってこの記述は適当になります。

選択肢3. 注入順序は、地盤及び近接構造物の変状、注入材の流出が生じないよう計画する。

注入順序は、埋設物や構造物が近くにある場合はち密に検討する必要があります。近接する構造物がある場合は、先行してその付近から注入して、次第に構造物から遠ざかるように注入していきます。

よってこの記述は適当になります。

選択肢4. 注入率は、土質試験結果や既存資料を参考に決定し、その根拠についても明確にする。

注入率は、間隙率×充填率の積から求められます。

間隙率は地盤の土質などによって変化するので、土質試験結果や既存資料などを参考に決定します。

よってこの記述は適当になります。

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