2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(前期)
土木2 問130
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(前期) 土木2 問130 (訂正依頼・報告はこちら)
道路のアスファルト舗装の破損に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- わだち掘れは、道路横断方向の凹凸で車両の通過位置が同じところに生じる。
- 道路縦断方向の凹凸は、道路の延長方向に比較的長い波長でどこにでも生じる。
- ヘアクラックは等間隔で規則的な比較的長いひび割れで、主に表層に生じる。
- 線状ひび割れは、長く生じるひび割れで路盤の支持力が不均一な場合や舗装の継目に生じる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1)適当です
わだち掘れは道路上で同じ箇所を車両が進行するため、その車輪が接する部分のアスファルトがくぼみ表面が凹凸状に変形する劣化症状です。
またアスファルト混合物の塑性変形や摩耗によっても発生し、交通渋滞や気象条件などが要因となります。
補修方法は加熱アスファルト混合物層を劣化箇所に舗設するオーバーレイ工法を採用し、わだち部分にのみ処置する場合や既設舗装全体に舗設処置する場合などがあります。
2)適当です
道路縦断方向の凹凸は車両が通行することにより、道路の進行方向に沿って延長して凹凸が発生する劣化症状です。
主に路床路盤の支持力低下による不等沈下やひび割れ、わだち掘れ、通行車両が停止と走行を繰り返すことなどが発生原因となります。
段差擦り付け工法やオーバーレイ工法が採用されますが、沈下が激しい場合は原因究明のもと修繕設計を立てる必要があります。
3)適当ではありません
ヘアクラックとは幅が0.2~0.3mm程度の比較的小さいひび割れのことで、髪の毛のように細いことからそう呼ばれており、主にアスファルトの転圧時に発生する段差状の施工不良として発生します。
等間隔で規則的に長く発生するひび割れはリフレクションクラックと呼ばれ、アスファルト混合物の下面のひび割れや目地が交通荷重などにより不連続に動くことが原因とされます。修繕方法はシール材注入やオーバーレイ工法などを採用します。
4)適当です
線状ひび割れはアスファルト混合物層の下面から上方に向かって現れ、車輪荷重や冬場の凍結などによりアスファルト表面に曲げ引張り応力に伴うひずみが発生して縦方向にひび割れとなる劣化症状です。
放置すると降雨時に路盤や路床まで浸水するため、シール材注入工法などで雨水侵入を抑制し、割れの深度が大きい場合はわだち部オーバーレイ工法などにより処置します。
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02
アスファルト舗装の破損について、以下に簡単に種類別に記載します。
・ひび割れ
亀甲(きっこう)状
線状
ヘアクラック
リフレクションクラック
・わだち掘れ
塑性変形(そせいへんけい)
沈下
摩耗(まもう)
・平坦性の低下
段差
くぼみ
寄り
縦断方向の凹凸
このことを踏まえ、設問と照らし合わせてみます。
1 .わだち掘れは、道路横断方向の凹凸で車両の通過位置が同じところに生じます。
→車両走行による摩耗によって発生するため、適当です。
2 .道路縦断方向の凹凸は、道路の延長方向に比較的長い波長でどこにでも生じます。
→舗装下の路床・路盤が沈下することにより、凹凸が発生するため、適当です。
3 .ヘアクラックは等間隔で規則的な比較的長いひび割れで、主に表層に生じます。
→ヘアクラックは、転圧時の施工不良(過転圧)によるものあるいはアスファルト混合物の品質不良によるもので、規則的に発生しません。そのため、適当ではありません。
4 .線状ひび割れは、長く生じるひび割れで路盤の支持力が不均一な場合や舗装の継目に生じます。
→施工継目の接着不良や、急激な温度変化により舗装に収縮力が働き、ひび割れが起こるため、適当です。
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03
適当でないものは 3 です。
1.路面温度の高い夏場等に交通荷重を多く受ける箇所では、わだち掘れが起こりやすく、車線内を走行する大型車のタイヤは必然的に同じような位置を通過するため、同じ箇所が掘れやすくなります。
2.道路縦断方向の凹凸は、盛土部や軟弱地盤箇所の沈下の影響を受けて発生することが多く、縦断方向では比較的長い波長での凹凸となりやすいです。
3.舗装のヘアクラックは、横断方向に発生しやすいが縦断方向に発生することもあり、その間隔は不規則であることが多いです。
4.設問の記述の通りです。線状ひびわれはアスファルト混合物層の下面から発生している可能性が高く、放置すると災害発生の原因となる可能性があるため、速やかな補修が求められます。
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