2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
鋼構造物塗装 問68
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 鋼構造物塗装 問68 (訂正依頼・報告はこちら)
塗料の乾燥機構に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 付加重合反応は、主剤と硬化剤との化学反応によって塗料が硬化し塗膜が形成される。
- 付加重合反応は、低温になると反応が遅くなるので、低温時にはウレタン化反応によって硬化する低温用の塗料がある。
- 縮合重合反応は、湿気や熱等の働きで樹脂が硬化反応時にアルコール等を生成し、これを排出して塗料が乾燥し硬化する。
- 酸化重合反応は、空気中の酸素と反応して硬化するので、塗膜の表面が最も遅く乾燥する。
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この過去問の解説 (3件)
01
適当でないものは、4です。
塗料の乾燥機構について、以下に反応について示し、設問と照らし合わせます。
・付加重合反応:二重結合や三重結合の低分子同士がある要因により結合し、高分子が生成される反応(他の分子は生成されない)
・縮合重合反応:付加重合反応のように高分子が生成されるほか、水分子のような低分子も生成される反応
・酸化重合反応:塗料中の溶剤(樹脂や油類を溶解し流動性を保つもの)が揮発し、その後空気中の酸素を取り込み(酸化)、安定した物質になり乾燥する反応
1 .付加重合反応は、主剤と硬化剤との化学反応によって塗料が硬化し塗膜が形成される。
適当です。
主剤(二重結合、三重結合の低分子)と重合開始剤、触媒(しょくばい)を用いて反応が起こります。主剤が熱あるいは光などの要因で二重結合、三重結合が切れてしまうところから重合が始まります。
2 .付加重合反応は、低温になると反応が遅くなるので、低温時にはウレタン化反応によって硬化する低温用の塗料がある。
適当です。
ウレタン化反応によって、カルボニル基(―C、―COなど)を介して硬化反応を加速させることができます。ただし、5度を下回ると反応は遅くなるため、作業を中止するか塗布する部位、環境を採暖する必要があります。
3 .縮合重合反応は、湿気や熱等の働きで樹脂が硬化反応時にアルコール等を生成し、これを排出して塗料が乾燥し硬化する。
適当です。
アルコール(ーOH)も水分子(H₂O)同様に低分子として分類され、揮発あるいは蒸発で排出されます。
4 .酸化重合反応は、空気中の酸素と反応して硬化するので、塗膜の表面が最も遅く乾燥する。
適当ではありません。
この反応に使用される溶剤は揮発してから酸化して硬化するため、空気中にさらされている表面は内部よりも比較的早く硬化します。
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02
正解は「4」です。
酸化重合:溶剤が蒸発することで大気中の酸素と重合することで硬化します。
また、大気と反応するため、表面から乾燥し硬化します。
1.正しいです。
付加重合:主剤と促進剤、硬化剤による反応で硬化します。
2.正しいです。
エポキシ樹脂系は低温になると反応時間が長くなります。低温の場合は、ポリウレタン樹脂系を使用します。
3.正しいです。
縮合重合:水等の小さな分子等が生成されて硬化します。
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03
正答(適当でないもの)は4です。
設問1は適当です。付加重合反応は開始反応に続き、成長反応および停止反応の三つの連鎖反応です。
設問2は適当です。付加重合反応は、低温になると反応が遅くなり、高温になると反応速度は速くなります。
設問3は適当です。
設問4の酸化重合反応は、空気中の酸素と反応して硬化するので、塗膜の表面が最も早く乾燥するので最も遅く乾燥するは誤りです。
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