2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
薬液注入 問125
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 薬液注入 問125 (訂正依頼・報告はこちら)
薬液注入における注入材のゲル化時間と注入速度に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 砂質土に対する注入材は、ゲル化時間の長い緩結性のものがよい。
- 砂質土に対する注入速度は、注入材のゲル化時間に無関係に速く設定することができる。
- 粘性土に対する注入材は、ゲル化時間の短い瞬結性のものがよい。
- 粘性土に対する注入速度は、速いほうが、注入圧力は高く、割裂注入になりやすい。
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この過去問の解説 (2件)
01
1)適当です
砂質土地盤での薬液注入は注入形態を浸透注入とし、溶液型の注入材を使用します。
浸透注入は土粒子の間隙に注入材をくまなく浸透させて硬化させるため、注入材は注入中にゲル化が始まらないよう、ゲル化時間が比較的長い緩結性のものを使用します。
この場合の注入材は初期粘度が低いため、注入圧力は割裂注入よりも低めとなります。
2)適当ではありません
砂質土地盤は間隙が粘性土地盤より大きく、注入材が浸透し間隙を埋めるまである程度の時間を要します。そのため注入材のゲル化時間をその都度確認し、注入圧力を調整する必要があります。
浸透注入では注入速度はゲル化時間に関係なく早くすることはできないため、この設問は適当ではありません。
3)適当です
粘性土地盤での薬液注入は注入形態を割裂注入とし、懸濁型の注入材を使用します。
割裂注入では高圧にて瞬結性の注入材を注入することで土中に注入材が脈状に硬化する割裂脈を形成し、また間隙が大きい礫質土地盤では大きな間隙へ注入材を充填させて地盤改良します。
4)適当です
粘性土地盤では間隙が微小なので浸透注入では注入材が間隙に充填されにくくなるため、注入形態を割裂注入とします。
割裂注入では硬化後のホモゲル強度が高い注入材を使用し、ゲル化時間が短い瞬結性の注入材を高い圧力で注入することにより地盤内に割裂脈を形成します。
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02
適当でないものは、2です。
1 .砂質土に対する注入材は、ゲル化時間の長い緩結性(かんけつせい)のものがよい。
適当です。
砂質土の注入材は、浸透注入が一般的です。浸透してから地盤を硬化させる必要がある為、ゲル化時間は長いものが適しています。
2 .砂質土に対する注入速度は、注入材のゲル化時間に無関係に速く設定することができる。
適当ではありません。
注入速度が変化すると、浸透する薬液の領域(範囲)が変化するため、ゲル化時間と無関係に速く設定することはできません。
3 .粘性土に対する注入材は、ゲル化時間の短い瞬結性(しゅんけつせい)のものがよい。
適当です。
設問1の対にあたるのが瞬結性の注入材です。瞬結性の注入材は砂質土と異なり、粘性土には割裂注入が適しており、圧密により地盤全体を強化する働きを持ちます。
4 .粘性土に対する注入速度は、速いほうが、注入圧力は高く、割裂(かつれつ)注入になりやすい。
適当です。
粘性土の注入は粒子間の間隙が小さいため、注入圧力をかけることで脈状に分岐しながら割裂を押し広げて注入することができます。
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