2級土木施工管理技術の過去問
令和3年度(後期)
薬液注入 問143
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和3年度(後期) 薬液注入 問143 (訂正依頼・報告はこちら)
薬液注入工による既設構造物への変状防止のための対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 注入孔の配置を密にして、孔一本当たりの注入量を少なくする。
- ゲル化時間を短くすることで注入圧力を小さくする。
- 割裂注入が生じないように、高い注入速度で浸透注入が行える注入方式と注入材を選定する。
- 周辺地盤や構造物等の監視を十分に行い、注入圧力の上昇に注意しながら、高い注入速度で施工する。
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この過去問の解説 (3件)
01
適当なものは、1です。
変状(へんじょう)とは、衝撃や凍結、偏土圧や施工不良により変形してしまった状態にあることを指します。
1 .注入孔の配置を密にして、孔一本当たりの注入量を少なくする。
適当です。
注入圧力が集中すると変状を発生させる恐れがありますが、注入圧力を分散させることで、注入速度を保ち、既存構造物への影響を少なくしつつ、適量の注入材を注入することができます。
2 .ゲル化時間を短くすることで注入圧力を小さくする。
適当ではありません。
ゲル化時間を短くすると、より速く地盤に注入材を入れる必要が出てきますので、注入圧力が高まり、既存構造物への影響が大きくなると考えられます。ゲル化時間を長くすることで、注入材が硬化する前に適正な圧力で注入を行うことができます。
3 .割裂(かつれつ)注入が生じないように、高い注入速度で浸透注入が行える注入方式と注入材を選定する。
適当ではありません。
割裂注入は、高い注入速度と注入圧力により地盤内の空隙を押し広げながら注入していくことを指します。割裂注入を生じない為には、注入速度を遅くします。
4 .周辺地盤や構造物等の監視を十分に行い、注入圧力の上昇に注意しながら、高い注入速度で施工する。
適当ではありません。
注入速度は高いほど圧力が高くなります。そのため、注入圧力が上昇していなくても、最初から高い圧力で注入しているため、既存構造物に大きく影響し、変状を発生させる恐れがあります。
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02
1)適当です
薬液注入時の既設構造物の変状は、注入圧力が高すぎて注入材が一度に大量に注入されることにより地盤内が崩壊するために引き起こされます。しかし圧力を落とすと土粒子の間隙に十分に注入材が行きわたらない可能性が発生します。
これらを防止するために注入孔の配置を密にしつつ、孔1本につき注入材の量を少なくすることで注入圧力を落とすことなく十分な注入効果を得られることができます。
2)適当ではありません
ゲルタイムは注入方法によってそれぞれ大きく異なり、一概にゲル化時間を短縮する方法は適していません。
二重管ストレーナ工法ではゲル化時間は数秒から数十秒の瞬結とし、二重管ダブルパッカー工法ではゲル化時間は十数分から数十分の緩結とします。
また砂質土地盤などではゲル化時間は緩結型、粘性土地盤では瞬結型とすることとされています。
3)適当ではありません
割裂注入は既設構造物の変状と同様に注入材が一度に大量に注入されたために発生します。
砂質土地盤では低い注入速度で浸透注入が可能な方式及び注入材を選定し、割裂注入が発生しないように注入の最中は常に圧力を観察して調整するなど細心の注意を払います。
また、粘性土地盤では薬液注入時は割裂を引き起こしやすいため、注入速度を遅くして低い圧力で注入するようにします。
4)適当ではありません
薬液注入を施工する際、既設構造物などへの影響が懸念される場合は通常よりも遅い速度で低い注入圧力にて注入作業を行うようにします。
施工を進めつつ周辺の観察などを行いながら、圧力を調整し決定するようにします。
高い注入速度での施工は地盤の急激な変状を引き起こしやすいため、適切ではありません。
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03
1.適当です。注入孔の配置を密にし、一本当たりの注入量を減らすことで影響範囲を狭めます。
2.適当ではありません。ゲル化時間を長くすることで注入圧力を小さくします。
3.適当ではありません。割裂注入が生じないように、低い注入速度で浸透注入が行える注入方式と注入材を選定します。
4.適当ではありません。周辺地盤や構造物等の監視を十分に行い、注入圧力の上昇に注意しながら低い注入速度で施工します。
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