2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木1 問5

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木1 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートに用いられる次の混和材料のうち、水和熱による温度上昇の低減を図ることを目的として使用されるものとして、適当なものはどれか。
  • フライアッシュ
  • シリカフューム
  • AE減水剤
  • 流動化剤

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この過去問の解説 (3件)

01

混和材料はコンクリートに混ぜることで、コンクリートの性能を改善することを目的としています。種類によりその性質も変わってくるので、特徴をしっかり捉えて解答できるようにしましょう。

選択肢1. フライアッシュ

フライアッシュとは、火力発電の際に発生する灰を再利用した材料です。コンクリートと混ぜることで、ワーカビリィ(作業のしやすさ)の向上、コンクリートの長期強度の向上、水和熱の低減などの効果があります。よって設問は適当です。

選択肢2. シリカフューム

シリカフュームとは、金属シリコンなどを製造する際に発生する排ガスから得られる微粒子です。コンクリートの耐久性の向上、水密性、化学抵抗性の向上などが期待できます。水和熱の低減効果はないため、設問は不適当です。

選択肢3. AE減水剤

AE減水剤とは、コンクリート中に微細な空気泡(エントレインドエア)を連行することで、コンクリートのワーカビリティや耐凍害性を向上させる混和剤です。(AEはAir Entrainingの略)よって設問は不適当です。

選択肢4. 流動化剤

流動化剤とはその名の通り、コンクリートの流動性を増大させるために用いる混和剤です。よって設問は不適当です。

まとめ

高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの混和材を使用することで、水和熱を低減することができる(反面初期強度は低くなります)ことを理解しておきましょう。

設問には関係ありませんが、使用量が多く、コンクリートの容量計算に含むものを混和材、使用量が少なく、容量計算から無視できるものを混和剤としています。

参考になった数66

02

コンクリートに用いられる混和材料の設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。 

選択肢1. フライアッシュ

適切です。フライアッシュは、石炭火力発電所で発生する微細な灰で、コンクリートに混和すると水和熱を低減する効果があります。これにより、コンクリートの内部温度上昇を抑え、ひび割れのリスクを減らすことができます。特に、大規模な構造物や厚いコンクリート部材で有効です。

選択肢2. シリカフューム

適切ではありません。シリカフュームは、非常に微細なシリカの微粉で、コンクリートの強度や耐久性を向上させるために使用されます。ただし、水和熱の低減には直接的な効果はありません。むしろ、高い反応性を持つため、水和熱が高くなる場合があります。

選択肢3. AE減水剤

適切ではありません。AE減水剤(空気連行減水剤)は、コンクリートの作業性を改善し、空気を連行することで耐凍害性を向上させます。これにより、水量を減らすことができますが、水和熱の低減を主な目的とするものではありません

選択肢4. 流動化剤

適切ではありません。流動化剤は、コンクリートの流動性を高め、施工を容易にするために使用されます。これにより、水量を減らすことができますが、水和熱の低減を主な目的とするものではありません

まとめ

コンクリートに用いられる混和材料について、しっかりと押さえていきましょう。

参考になった数5

03

混和材はコンクリートに添加することで、性能の向上やワーカビリティの向上させることが出来ます。各種材料がどのような効果を出すのか、頻出問題なので確実に押さえたいポイントです。

選択肢1. フライアッシュ

フライアッシュは石炭を燃焼させた際に生成される灰です。主な効果はワーカビリティの向上です。他には単位水量の減少・アルカリ骨材反応の抑制・長期強度の向上・水和熱の低減が挙げられます。水和熱の低減の効果を持つ混和材なのでこの選択肢が適当です。

選択肢2. シリカフューム

シリカフュームは鉄とケイ素の化合物で、金属シリコンの精製時に発生する副産物です。コンクリートと混和することで、強度の向上・化学抵抗性の向上・水密性の向上が認められます。

水和熱低減の効果はないのでこの選択肢は不適当です。

選択肢3. AE減水剤

AE減水剤は微細な気泡を形成しワーカビリティの向上やそれに伴う単位水量を減少させ凍害への抵抗性を持たせるAE剤の効果と静電気的な反発作用でセメント粒子を分散させ、単位水量や単位セメント量を減少させる効果を持つ減水材の効果を併有した混和材です。

水和熱低減の効果はないので、この選択肢は不適当になります。

選択肢4. 流動化剤

流動化剤はコンクリートの流動性を高め、単位水量を増加させることなくワーカビリティを確保できるように用いられます。よって、この選択肢は不適当です。

参考になった数5