2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木2 問7
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木2 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
地すべり防止工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
- 杭工は、原則として地すべり運動ブロックの頭部斜面に杭をそう入し、斜面の安定を高める工法である。
- 集水井工は、井筒を設けて集水ボーリング等で地下水を集水し、原則としてポンプにより排水を行う工法である。
- 横ボーリング工は、地下水調査等の結果をもとに、帯水層に向けてボーリングを行い、地下水を排除する工法である。
- 排土工は、土塊の滑動力を減少させることを目的に、地すべり脚部の不安定な土塊を排除する工法である。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
地すべり対策工は大きく分けて地すべりの原因を取り除く抑制工と、地すべりそのものを力で抑え込む抑止工の2種類あります。設問の工法がどちらに当てはまるか、どんな効果があるかを理解して問題を解いてみましょう。
杭工は、地滑り防止のため杭を斜面に建込み、杭の剛性で斜面の安定性を高める工法です。よって設問は不適当です。
集水井工の排水はポンプではなく自然排水により行われます。よって設問は不適当です。
横ボーリング工は、地盤横方向にボーリングをし、集水管で排水を促して地下水位を低下させる工法です。よって設問は適当です。
地すべり脚部ではなく頭部の土塊を排除します。上のほうの土を取らないと滑動力を減少させることができません。よって設問は不適当です。
地すべり対策として大まかに下記を覚えておくとよいでしょう。
抑制工:水の排除を目的とした横ボーリング工、集水井工
土の移動抑制を目的とした排土工、押さえ盛土工、
抑止工:地すべりそのものに対抗することを目的としたアンカー工、杭工
参考になった数37
この解説の修正を提案する
02
地すべり防止工は抑制工と抑止工とに分けられます。
抑制工は地形や地下水の状態などの自然条件を変化させ、地すべり運動を緩和停止させるものです。
抑止工は構造物を設置してその抵抗力により地すべり運動を停止させるものです。
適当ではありません。
杭工とは、杭を地盤の不動土塊まで挿入することにより、せん断抵抗力や曲げ抵抗力を付加し、地すべり移動土塊の推力に対して直接抵抗する工法です。
複数の杭を地すべりが発生した際に予想される移動方向に対抗するように、計画位置は原則として地すべりブロックの中央部より下部の地盤反力が期待できる場所に配置します。
運動ブロックの頭部に杭を配置してもそれより下部のブロックで地すべりが発生してしまいます。
よってこの設問は適当ではないため、不正解となります。
適当ではありません。
集水井工は比較的堅固な地盤に井筒を設け、修水孔や集水ボーリングによって地下水を集水させ、それを地表へ自然に排水されるように配置する工法です。
集水井から地表への自然排水が不可能な場合は中継井戸の設置を計画し、ポンプによる排水は集水井工では行いません
よってこの設問は適当ではないため、不正解となります。
適当です。
横ボーリング工は地下水調査などを実施して地すべりが発生する可能性がある場合、地下水を排除することによりすべり面に働く間隙水圧を低減させ、地すべり土塊の含水比を低下させることを目的としています。
通常として浅層地下水の集中している部分に設け、ボーリング先端での間隔が5~10mの放射状となるように配置し、速やかに地すべり地域外へ地下水を排出します。
よってこの設問は適当であるため、正解となります。
適当ではありません。
排土工は地すべり土塊の活動力を減少させるため、地すべり発生の可能線のある部分の上側頭部の不安定な土塊を排除する工法です。
頭部土塊を排除することにより、その荷重による地すべりの発生を抑えます。脚部の土塊を排除すると頭部の土塊の重みにより地すべり発生の可能性がさらに高まります。
よってこの設問は適当ではないため、不正解となります。
地すべり防止は地下水の自然な除去、また地すべり土塊の処置が主になります。
特に地すべり土塊は抑制工では地すべり頭部、抑止工では地すべり脚部への処置が重要となります。
参考になった数7
この解説の修正を提案する
前の問題(問6)へ
令和5年度(前期)問題一覧
次の問題(問8)へ